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*自転車から学んだ話
前にこんな記事を書いたのですが、
それからまたなんと2回もチェーンが外れる事態が発生。
1回目は自力でなんとか(上記事参照)。
2回目はたまたま停まったところが工場の前で、そこの従業員らしきお兄さんがガチャガチャしてる私を見兼ねて助けてくれた。
3回目もまたガチャガチャしてるところを通りすがりのお兄さんが助けてくれた。朝の時間がないであろう時に、多くの人が通り過ぎていく中で、「大丈夫ですか?」と声をかけてくれた。
この世は優しい人で溢れている。そんな風に思えるなんて、私はどうやら運がいいようだ。
あなたは自転車のチェーンに触れたことがありますか?
手、真っ黒になるんですよ。
2回目に助けてくれたお兄さんはちょうど軍手をはめていましたが、3回目に助けてくれたお兄さんはきっとこれから出社される方だったのでしょう。もちろん軍手を持ち合わせているはずもなく、素手で直してくれていました。
さらにこのお兄さん、最後にアドバイスまで。
「チェーンがもう緩くなってるんで、またすぐ外れちゃうと思います。早めに自転車屋でちゃんと直してもらった方がいいですよ。」
そう言ってお兄さんは颯爽と自転車を漕いで行ってしまった。とても優しい目をしたお兄さんでした。どうか無事出社されてますように。
それから数日後。
お兄さんにまたチェーンを直してもらう訳にはいきませんので、自転車屋さんに行きました。
自転車屋のお兄さんも相当呆れた様子で、「よくここまでなるまで乗りましたね」と言わんばかりに自転車の状態を隅々まで説明してくれました。
「たるんだチェーンがカバーと擦れる音がうるさかったでしょう」
「そうなんですよ。ずっと気になってました」
「坂道とか力いっぱいグッと漕ぎ出したときに外れやすいんですよ」
「そうなんですね!通りで、急いでる時に限って外れました」
さらに私の自転車、けっこう汚れが目立っていたし、鍵もかなり錆びていて…
「これいつぐらいからです?だいたい雨で流されるんですけどね」
「あぁ、ほとんど屋根のあるところに置いてるからですかね」
「ここまで錆びるとそのうち鍵が合わなくなって、それでも無理矢理閉めちゃうと今度は開かなくなるんですよ」
「え、そうなんですか」
「また朝の忙しいときに泣くことになりますよ」
そんな会話をしながら自転車屋さんのお兄さんはチェーンを締め直してくれて、油も差してくれて、汚れも拭き取ってくれて、鍵の鯖も削ってくれていた。ついでに空気も入れてもらった。これ、トータル500円。
そうしてメンテナンスされた自転車を受け取り、家に向かって漕ぎ出してみると、なんということでしょう…とても軽快だった。
駐輪場に自転車を停めて鍵をする時も、
シュンッ…とても滑らかだった。
ものすごく嬉しくなった。それと同時に、かなり負荷を与えてしまっていたことに気づいて居た堪れなくなった。「ごめんな」と自転車のサドルをさすった。
ずっと気になっていたことがすべて解決したのです。
ほぼ毎日乗っていて、気にはなっていたけれど、乗れなくなった訳ではなく、ただちょっと不安定で乗りにくいというだけで、放置してしまっていたことに、やっと向き合いました。
こんなに爽快な気分はありません。
毎日使うモノとちゃんと丁寧に接していこう。
そう思い直した出来事でした。
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