井の頭。中毒
吉祥寺は「住みたい街ランキング」1位の街として名を馳せている。
アタシの家は吉祥寺とねじれの位置にあり、吉祥寺には辿り着けない。しかし近所で建設中のマンションの看板には「吉祥寺」と書いてある。
と、言うもののですね、最近の吉祥寺はどんどんどんどん人が増えてきていて、住みやすい街とはいえない。昨日も平日のくせに、駅前、アーケード、中道通り、人人人。そしてその皺寄せは、ついに、井の頭公園に及ぶ。
アタシは井の頭公園が大好きである。
直筆サインすら持っている。
家のウォーターサーバーの水は、井の頭池のものである。
観賞用だ。
見た目はさながら緑茶であるので、来客はよく間違えて飲んでしまう。
退屈な世の中に辟易した私たち家族は、年4-5回くるそのプチ面白場面を目撃しては、笑って、また生き延ばす。
(来客は利根川ぐらいゲロを吐きます)
人が増えると、変わった人も増える。
おとといの夕方、井の頭公園のとあるベンチに座った。左側のベンチにカップルがいて、少し遅れて右側に、少し腰をかがめた60歳くらいの
※犬猫換算では12歳
※兎換算では6歳半
※チンパンジーでは30歳
※ゴリラでは20歳
※ハムスター換算では1年9ヶ月 (ほぉ、ハムスターの一生って太くて短い系なんだね、いいじゃん)(ハムスターに5ポイント❗️)
※インコ換算では9歳
※長生きで一世風靡、沖縄しまんちゅ換算では58歳
※エナドリばっか飲んでる受験生換算では12歳
※俺は今19歳
おばさんがやってきた。
おばさんはベンチに座るや否や、特殊なカバンから犬を出した。
ここでおばさんが激渋ストリートマジシャンの可能性が出てきたが、おばさんは「はーい」と優しい声を出して、犬をベンチの下に放した。もう歩けない犬のようだった。犬は落ち葉が溜まった焦茶色の地面に、本当にそっと、座って、じっとしていた。
一方カップルはベサクサと会話を交わしていた。会話を聞いていると、慶應生カップルのようだ。以下、その方々の会話。
「俺の友達がよ、東大なんだけどよ、渋幕でよ、まじで学年2位とかだったんだよ」
「でも俺も2-3位だったんだぜ?渋幕ちゃうけど」
「いや、マジで資本主義に侵されちゃダメだよ」「就活したらさ、資本主義に侵されっから」
「え、お前そんなこと付き合って一週間、一ヶ月だったら言わないでしょ?」
「この後下北でダウン買おう カルバンクライン 4まん(ちなみにそこそこ寒いのに半袖)」
対し、女側
「えーまじで?ウチの元彼みんなそんな感じ 頭いい人しか好きになれない」
「でも慶應そういう変な人いないよね」
「いや、別に言うし(わら)」
「なんかお酒弱いみたいになってんだよねウチ、六本木で飲も。」
「なんで半袖(わら)」
「何だっけそのうた?あ、秋山の性交渉のうたか(笑)」
渋くもない、膜もない。
ふとベンチの足元に目をやると、そこには空いてんのか空いてないのかわからなかったが、シャンパンボトルが二つ。
公園で夕方からシャンペン。
日本全ての酒類提供可能飲食店から出禁を食らっているのだろう。
泥酔の末「アルコール」の存在を否定し、戦車を4台同時に飲酒運転し、
その足で日本全国全道路の「止まれ」を「澤ほまれ」に書き換えたのだろう。
歩けない犬が吠える。
おなご「何あれうるさーい カラスうるさーい」
男「犬だよ」
おばさん「ジトッとした目で見る」(鳴かないの〜)
おなご「犬!?かわいい!!!」
男「どう見ても犬だろ(わら)」
この間、犬はうんちを二回した。
暗くて見えなかったけど 匂いの波が、どーん、ビュどーん。2回きた。
ところで、イタいカップルの会話は、200うんちに相当する。
アタシの左隣のベンチでは犬が2うんちし、右隣のベンチでは、カップルが200うんちした。
2 ? 200
自分は数学的に、20回ウンコをする必要性に迫られた。
でも無論できるわけもなく、かわいいピンク色の屁で勘弁してもらおうか(かわいいから「ぴゅえ」と読む)と考えていると、
おばさんが「疲れたねーよし、帰ろっか」と言い、おもむろにベンチから立ち上がり、犬をまた特殊なカバンに入れて、帰っていった。
糞を、公園に残したまま。
井の頭パーク。気狂いしかいない!!!!!!!!!!
ヘロインの雨でも降ったのか!?!?!!?!?!?!?!!?!?!?!?!??????????????
(疑問で終わり、学びにつなげる)
錯乱状態に陥ったアタシは何をすればいいかわからなくなり、
気を鎮めようと井の頭池の水を飲み、
アヒルボートを五隻飲み込んで帰った。
今日も、アヒルボートに乗ってた、知らんやつが叫んでる。
俺の胃で叫んでる。
「君の胃液さあ、名前書いてないじゃん!!!」
「アルカリ性だしさあ!」
「これじゃあさあ、上、上がれないよぉ!!!!」
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