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古今集巻第十九 雑躰誹諧歌 1056番

題しらず
大輔
なげきこる山とし高くなりぬればつらづゑのみぞまづつかれける

嘆き樵る山とし高くなりぬれば、面杖のみぞまづ突かれける

大輔(たいふ)
嘆きの木を切る山が高くなったので、頬杖ばかりをとにかく突かされてしまう

「嘆き」と「木」を掛けて、そういう木を樵る(こる、切ること)嘆きの山のようなものが、高く積み上がったので、それを見ていると、面杖(つらずえ、頬杖のこと)ばかりが、とにかく突かされることになってしまった、という歌です。
「山とし高くなる」の「とし」は、変化の結果を表す格助詞「と」+強調の間投助詞「し」で、「山のように高くなって」です。

大輔(たいふ)は、源弼(みなもとのたすく)の娘だと言われています。大輔は、あだ名ですので宮中に出仕していたのでしょう。

#古今集 , #雑躰 , #誹諧歌 , #大輔 , #嘆き , #面杖

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ちのみゆき
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