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古今集巻第十九 雑躰誹諧歌 1055番
題しらず
さぬき
ねぎごとをさのみききけむ社こそはてはなげきの森となるらめ
讃岐
祈ぎ事を然のみ聞きけむ社こそ、果ては嘆きの森となるらめ
願い事をそのように沢山聞いてきた社(やしろ、神社)は、最後には嘆きの木が生えた森になるでしょう
「ねぎごと(祈ぎ事)」は、願い事。「ねぐ(祈ぐ)」は願うこと。
「さのみ(然のみ)」は、「そのように」です。そのようにどうしたかと言えば、願い事を沢山聞いてきたと言うことです。
「なげきの森」は、嘆きの「き」が「木」に掛かっていて、やがて森になることとつながります。
「こそ〜らめ」は、強調の係結びなので、終止形では「なるらむ」、そのようにしてきた神社こそは、森になるだろう、ということです。
讃岐は、安倍清行(あべのきよゆき)の娘。讃岐守になった(寛平6年、894年)ことがあるので、娘は宮中で「讃岐」と呼ばれました。
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