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古今集巻第十九 雑躰誹諧歌 1057番

題しらず
よみ人しらず
なげきをばこりのみつみてあしひきの山のかひなくなりぬべらなり

嘆きをば樵りの満つ見て、あしひきの山の峡(かひ)なくなりぬべらなり

嘆きという木を刈り取って満ちていっぱいになり、山峡の谷間が埋まったらしい、嘆きが満ち満ちて生きる甲斐も無いようになってしまったようだ

「嘆き」と「木」が掛けてあります。「こりのみつみて」は「樵りの満つみて」で、刈り取った木がいっぱいになって、の意味のようですが、「みつみて」が、わかりません。「満つを見て」、または、「満ち満ちて」のことかもしれません。
「山の峡(かひ)」は「甲斐」との掛詞。
「なりぬべらなり」は、なってしまったようである、ぐらいの意味です。「べらなり」は、「べし、らし、なり(だろう、らしい、である)(正しくありません)」ぐらいの意味と考えて、「であるらしい、であるようだ」と訳せば、そんなに違わないようです。

#古今集 , #雑躰 , #誹諧歌 , #嘆き , #樵り , #山の峡

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ちのみゆき
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