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古今集巻第十九 雑躰誹諧歌 1063番
題しらず
よみ人しらず
なにをして身のいたづらに老いぬらむ年のおもはむことぞやさしき
何をして身の徒らに老いぬらむ年の思はむことぞ恥し(やさし)き
何をして、我が身は虚しく老いてしまったのだろう、共に過ごした年月に思いがあるとしたら、とても恥ずかしい
共に過ごした年月そのものは、何もせずにただ老いてしまった自分の行動を全て見ているので、それが恥ずかしいという歌です。
「いたづらなり(徒らなり)」は、無駄、虚しい、役に立たないという意味。
「やさし(優し、恥し)」は、ここでは恥ずかしいという意味です。動詞「痩す(やす、痩せること)」の形容詞として「痩せている」ことを表すのが「やさし」の元の意味です。それにより、痩せてしまうほど恥ずかしい、ことを指します。優美だ、けなげだ、という意味は、もっと後の時代に出てきたそうです。
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