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古今集巻第十九 雑躰誹諧歌 1068番

題しらず
よみ人しらず
世をいとひ木のもとごとにたちよりてうつぶしぞめのあさのきぬなり

世を厭ひ木の下ごとに立ち寄りて、空五倍子染めの麻の衣なり

世に暮らすことを避けて、日々木の下に立ち寄っては宿り、うつ伏して寝る我が身の着るものは「空五倍子染め」の麻の衣だ

「世を厭う」は、出家していること。
「木の下ごとに立ち寄りて」は、修行僧の「樹下石上(じゅげせきじょう)」、木の下や石の上などに宿る生活を指します。
「うつぶし染め(空五倍子染め)」は、ヌルデの木に虫が寄生して作る瘤から取った黒い染料で僧衣を染めたもの。「うつ伏して」寝ることと掛けています。

#古今集 , #雑躰 , #誹諧歌 , #空五倍子染め

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ちのみゆき
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