古今集 巻四 秋歌上 235、236番
朱雀院の女郎花合(おみなへしあはせ)によみて奉りける
ただみね
人の見ることやくるしきをみなへし秋霧にのみたちかくるらむ
ひとりのみながむるよりは女郎花わがすむやどにうゑて見ましを
宇多上皇の御所の女郎花の歌合で詠んで奉った歌
壬生忠岑
人が見てくることがつらいからか、おみなえしは秋霧にただひたすら隠れている
秋の野で一人で眺めるよりは、おみなえしをわたしの住む家の庭に植えて見たいものだ
秋の野に霧が立つ中でもじっと咲いているおみなえしの花の様子と、野でしか見られないよりも家の庭に植えて眺めたいということですが、女性を誘う状況を想像して詠んだもののように思います。一首目は、わたしがあなたに気をかけて見てしまうことがそんなに気になりますか?そんなに隠れなくてもいいでしょうと言い、二首目では、こんなところでお会いするよりも、わたしの心の庭で(あなたの家を訪ねて)お会いしたいものだ、ということでしょう。
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