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古今集巻第十九 雑躰誹諧歌 1050番
題しらず
なかき
雲はれぬ浅間の山のあさましや人の心を見てこそやまめ
平中興(たいらのなかき)
雲が晴れない浅間山のような態度に、なんとも驚いてしまう、私の気持ちをしっかり見てから止めるべきだろう(または、女の心をしっかり見極めてから諦めよう)
女の態度が煮え切らないので、私の気持ちをしっかり見てから文句を言え、と言っているのか、
相手の気持ちをしっかり見極めてから、どうするか考えよう、と言うことなのか、わかりません。
後者のような気はします。
上の二句は「あさまし」に掛かる序詞です。
「あさまし」は、良いか悪いかは別にして驚いてあきれることです。現代のような品性が卑しいという意味ではありません。
「あさましや」の「や」は、感嘆の間投助詞です。
「見てこそやまめ」は、「見て止む(見てから止める)」に、強調の係助詞「こそ」と「止む」の未然形「止ま」と助動詞「む」の已然形「め」です。
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