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古今集巻第十四 恋歌四 720番
題しらず
よみ人しらず
たえずゆくあすかの川のよどみなば心あるとや人のおもはむ
この歌、ある人のいはく、なかとみのあづま人はがうた也
題知らず
詠み人知らず
絶えず流れる飛鳥の川が淀んでしまった、いつも通って来たあの人があまり来なくなったなら、他の女性への気持ちがあると人は思うでしょう
この歌は、ある人が言うには中臣東人の歌である
「絶えず行く飛鳥の川の淀みなば心あるとや人の思はむ」
川が淀むのとを男性が通って来ないことに例えています。
飛鳥川は明日香川とも書くので、ずっと昔から川の流れがあり、それは明日も絶えず流れるはずだ、という意味があります。
あなたはずっと通って来てくれていたのに、最近あまり来なくなった、今日も明日もどうなのだろう、来ないのなら他の女性のところへ通っているのではありませんか。こういう状況なら、普通の人はそう思うでしょうし、わたしも思います、という歌です。
中臣東人は奈良時代の人のようです。男性なので、辻褄が合いません。そのために一応は詠み人知らずとして、注で伝承を書いたものと思います。中臣は神官の家系です。
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