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古今集巻第十九 雑躰誹諧歌 1048番
題しらず
平中興
逢ふことの今ははつかになりぬれば夜ふかからではつきなかりけり
逢ふことの今は僅か(はつか)になりぬれば、夜(よ)深からでは、付き無かりけり
逢うことが今は僅かになってしまっていて、夜が深くないと、手立てがないのだ、今日は二十日になったので、夜が深くないと月は出ないのだ
「はつか」は「僅か(はつか、わずかの意味)」と「二十日」の掛詞、
「つきなし」は、「付き無し(方法がない)」と「月無し(空に月が出ていない)」の掛詞です。
逢うことがわずかになると、なぜ夜更けでないと逢えないのか。いつもは他の女の所に通っているので、夜が更ければ何か言い訳をしてそこを出てくることができるという意味と思います。
掛詞は上手いですが、言ってる内容はひどいので、この歌をもらった女は、がっかりしたと思います。
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