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古今集巻第十七 雑歌上 928番

ひえの山なるおとはのたきを見てよめる
ただみね
おちたぎつ滝のみなかみ年つもり老いにけらしな黒きすぢなし

比叡の山なる音羽の滝を見て詠める
忠岑
落ちたぎつ滝の水上年積もり老いにけらしな黒き筋無し

比叡の山にある音羽の滝を見て詠んだ歌
壬生忠岑
激しく落ちる滝の水上は、年を積もらせて老いたのだろう、黒い筋がない

滝や川の流れの白い筋を白髪と見立てて、この川や滝は老いたのだろう、黒髪がないと言う歌です。
比叡の山の音羽の滝は、滋賀県大津市の坂本にある滝や、京都市左京区修学院にある滝などの説があります。
「比叡」は「ひえ」と読み、滋賀県側にある「日吉大社」も以前は日吉社(ひえしゃ)」と呼んでいました。日枝社(ひえしゃ)も同じです。比叡山の山の神様の「山王(さんのう)」をお祀りした神社です。

「けらしな」は、過去の助動詞「けり」の連体形「ける」+推定の助詞「らし」+詠嘆の助詞「な」の「けるらしな」がつづまって「けらしな」になったもの。そうであるらしいなぁ、ぐらいの意味です。比較的古い表現です。

#古今集 , #雑歌上 , #壬生忠岑 , #比叡山 , #音羽の滝

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ちのみゆき
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