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古今集巻第十九 雑躰誹諧歌 1041番
題しらず
よみ人しらず
われを思ふ人をおもはぬむくいにやわが思ふ人の我をおもはぬ
我を思ふ人を思はぬ報いにや、我思ふ人の我を思はぬ
私を思う人を思わない報いなのか、私が思う人が私を思わない
少し言い換えると、
私を恋しく思う人を、私がなんとも思わなかったことが因果応報として自分に戻って来たのか、私が恋する人は私を気にもとめない。
他人の気持ちを、自分の思い通りにはできません。それは自分にも他人にも当てはまる、そういう歌です。
「報い」は、ここでは、自らの行動の結果として身に受けるもののこと、因果応報です。「頑張った甲斐があって報われた」など良いことにも使いますが、悪いことを指すことのほうが多いかもしれません。
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