寛平御時きさいの宮の歌合のうた
よみ人しらず
わりなくもねてもさめても恋しきか心をいづちやらばわすれむ
宇多天皇の御時の皇太后班子女王の歌合わせの歌
詠み人知らず
どうしてこうも寝ても覚めても恋しいのだろう、心をどこかにやれば忘れるのだろうか
「わりなし」は「理(ことわり)なし」で道理に合わないとか理由もないという意味。「いづち」は、いずこと同じです。
恋しいと思う心をどこか他においてきたら、忘れられて少しは落ち着いた気持ちになるのだろうか、という歌。
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