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《今さら聞けない》衆議院議員総選挙のしくみ【2】比例名簿下位の候補者に当選の可能性はあるのか?

前回は、衆議院議員選挙は「小選挙区比例代表並立制」という方式を採用しているというお話をし、そのしくみについて解説しました。

前回の内容はコチラ↓↓↓↓↓

今回は、小選挙区には立候補せず、比例代表にのみ立候補する、いわゆる「比例単独」、その中でも名簿下位に登載される候補について解説します。

まず、比例代表の候補者名簿を見てみると、比例単独出馬で30位くらいの下位に名簿登載されている候補者がいることに気づきます。しかし、最も多くの議席数が分配されている近畿ブロックでも28議席です。

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そこでふと疑問に思うのが、比例区で30議席も取れるわけないのに比例名簿下位(小選挙区との重複立候補者よりも下位)の候補者に、そもそも当選の可能性はあるのかということです。答えから言うと、あります。

実際に今回(2021年10月31日投開票)の選挙では、元F1ドライバー山本左近氏が東海ブロック比例代表の自民党公認候補として出馬し、名簿登載31位ながら見事に当選を果たしました。

自民党の東海ブロックの比例名簿には35名の候補者が登載されました。そのうち30名は小選挙区との重複候補で、すべての重複候補者が名簿順位1位で登載されました。比例単独立での出馬は5名。その中で最上位の31位に登載されたのが山本左近氏でした。

そして、東海ブロックの重複候補者30名のうち22名小選挙区で当選したため、この22名は小選挙区での当選と自動的に比例代表の候補名簿から外れることになります。そして、自民党は東海ブロックの定数21議席のうち9議席を獲得しました。うち8議席は比例名簿登載順位1位の重複立候補者の比例復活に割り当てられることになりますが、それでもまだ残り1議席あるため、31位だった山本左近氏が比例代表最後の1席に滑り込み、晴れて初当選を果たしたのです。

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つまり、比例単独での立候補者は、小選挙区との重複候補者にがんばってもらえば当選の可能性が高まるのです。だから、彼ら彼女らの仕事は、小選挙区候補に勝ち抜いてもらうためにその応援に駆けつけること、そして政党の政策を一生懸命に有権者に訴えかけ、比例区で政党名を書いた票をかき集めることです。

2度目の国政への挑戦で初当選を果たした山本左近氏は、以下のように喜びの談話を発表して意気込みを語りました。

「支援者の皆さまに最後尾のスターティンググリッド(注:クルマを使ったレースであるモータースポーツで使用するスタート位置のこと)に押し上げて並ばせていただいた。新しい挑戦の第一歩が始まる」
まさに小選挙区候補に奮闘してもらったおかげで「押し上げ」られたわけです。

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