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O.T.O.〈東方聖堂騎士団〉

東方聖堂騎士団(Ordo Templi Orientis、 略称 O.T.O.~直訳すると東洋神殿修道会)は、
“東洋のテンプル騎士団”という意味のラテン語になります。

この団体は、20世紀初めに創設された友愛団体にして宗教団体です。当初はフリーメイソンリーを模した関連組織として設立されましたが、アレイスター•クロウリー(別稿参照)の指導下で、「セレマの法」を中心的に据えた宗教団体として生まれ変わりました。

「セレマの法」の基本理念は「汝の意志するところを行え、それが法の全てとなろう」と「愛は法なり、意志の下の愛こそが」の二つの文で象徴的に表されます。

他の多くの秘密結社と同様、O.T.O.の組織は、一連の位階儀礼による秘儀参入体系に基づいており、団員の結束を深め、精神的および哲学的な教えを伝授することを目的としていました。

申し上げたように、O.T.O.はフリーメーソンや古代の秘教のような幾つものイニシエーションによって授かる「位階」の制度によって成り立っています。

これらの「位階」において、 O.T.O.は実在の中にある深い神秘を示す寓意と象徴(シンボル)によって個人を教え導くことを行います。 それによって団員達が自身の人間的本質を見つけることを支援しようとしました。

O.T.O.はまた、グノーシス・カトリック教会 (Gnosis Catholic Church; Ecclesia Gnostica Catholica) を内部に組織しています。

O.T.O.の活動の主旨は彼らの言葉を借りれば「真剣に神秘を追求する騎士団であり『世界的な兄弟愛の基盤』の下に、 個人の自由を守り『美』と『勇気』と『機知』をもって、 彼または彼女に『光』と『智恵』と『知識』と『力』をもたらす」 というものだと言っています。

この団体はテンプル騎士団を見本とし、フリーメイソンリー的な友愛団体としてイニシエーションと位階制度を導入し、尚且つグノーシス主義を標榜するものとして成立しています。

そこに更にアレイスターが参入し、古代の秘教から黒魔術までを持ち込み、「セレマの法」による宗教的味付けを加えて出来上がった「オカルトの坩堝」のような団体です。

従って、他の秘密結社と比較すると歴史が浅いこともあり、それ以前の団体の良いところを吸収して大きくなった団体のように思われます。悪く言えば「いいとこ取り」なのですが、悪名高きアレイスター•クロウリーが牽引した団体という所から寄ってくるイメージもあるのではないかと思います。

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