さて、話は陰陽五行から、易断の話へと
発展します。
まずは「易経」の話をしなければ
なりません。
これは、古代中国の書物です。
著者は伏羲(ふつぎ)とされています。
女媧(じょか)伏羲(ふつぎ)の
伏羲です。
伝説上の聖王、というか神です。
この二人は夫婦で(兄妹との説も)
女媧は人類を作った女神です。
日本の伊弉諾、伊弉冉に当たる神
でしょうか。
不思議なことに人頭蛇身で表現される
外見をしています。
さて、その伏羲が書いたとされる
占いの根本経典となる書物が「易経」です。
実際は商王朝の時代から蓄積された
卜辞を集大成したものと考えられています。
一般に「筮ト」と言いますが、
「筮」は植物である「蓍」の茎の本数を
用いる占いで、(筮竹の原形)
「ト」が亀の甲羅や動物の肩甲骨に
入ったヒビの形から占うものです。
易占の世界に三易というものがあります。
三易とは、連山・帰蔵・周易のことです。
夏王朝の占卜が連山、殷王朝が帰蔵、
周王朝時代の筮トが周易です。
連山・帰蔵が早く廃れたため、
今日では易といえば周易を指します。
周易はもちろん陰陽五行に従っています。
前に書きました通り、8卦×8卦=64卦で
この世の事象を表します。
これを大成卦と言います。
大成卦をつくる6本の線のことを
「爻(こう)」と呼びます。
爻は64卦×6=384本です。
爻には、陰爻と陽爻とがあります。
爻の説明については専門的になりすぎます
ので、ここでは述べません。
四象が陰陽に分かれて八卦になるのですが、
大きな流れは八卦で分かりますので、
大成卦を求めるまでもありません。
それだけ八卦は重要なのです。
前の記事では述べませんでしたが、
八卦とは、
乾(天)・兌(沢)・離(火)・震(雷)・巽(風)・坎(水)・艮(山)・坤(地)
の八つのことです。
のるかそるかの大勝負を「乾坤一擲」と
言いますが、それはここから来ています。
それぞれの大まかな意味を記します。
☰(乾)…ケン 天( heaven)父
☱(兌)…ダ 沢 (lake)少女
☲(離)…リ 火( fire)次女
☳(震)…シン 雷( thunder)長男
☴(巽)…ソン 風 (wind)長女
☵(坎)…カン 水 (water)次男
☶(艮)…ゴン 山(mountain)少年
☷(坤)…コン 地 (earth)母
さて、筮竹を操って上下の卦を
出し、六十四卦の意味するところを
調べます。
たとえば、上卦が「乾」で、
下卦が「離」だった場合の六十四卦は、
「離下乾上」の天火同人(てんかどうじん)となり、「物事を公明正大に行えば
願い事は叶う、結集して協力する」
という意味になります。
実際に占っていないので、理屈ばかりに
なってしまいましたが、易者の方に占って
もらった時に、卦を言われた場合、参考に
なるかと思います。
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