摩利支天の法
「九字の法」ばかりが有名で、あまり知る人もいない法ですが、
こちらの方が、速く呪(しゅ)をかけられ、簡潔に実行できる法となります。
なぜなら、祈る対象が「摩利支天」
お一人だからです。
ここで、摩利支天について、
簡単に説明する必要があるでしょう。
摩利支天(マーリーチー)は、古代インドのウシャスという暁の女神が原型であると
考えられています。
この神はまた、陽炎の化身とも捉えられて
います。
陽炎は実体がないので、捕捉できません。
よって、この神は隠形で、しかし、自在の
通力を持つとされています。
日本では武士の間で篤く信仰されて
いました。
修法については、右手と左手の人差し指と
中指をそれぞれ立て、右手を刀、左手を鞘に見立て、右手で空中を切ります。
空中を切った後、刀である右手指は、
鞘に見立てた左手に納めます。
至って簡単です。
真言(マントラ)は、
オン マリシエイ ソワカ です。
刀印を用いる所は一緒ですが、念じる対象が、「天」、すなわち天部衆(デーヴァ)
=(仏法の守護神)ですので、
唱えるのは、真言(マントラ)となります。
摩利支天は女神です。
いかつい武士や忍者が、女神を崇めていたなんて、ちょっと面白いですね。
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