森ビヨ・勝手にアナザーストーリー3話
【森ビヨ・勝手にアナザーストーリー3話】
この作品は、勝手に考えた『眠れる森のビヨ』のアナザーストーリーです。
基本的に皆、幸せになって欲しい。序盤はネタバレ考えてません。
原作者さま、演劇女子部さま、アップフロントさまとは全く関係ありません。
ご了承ください。
※映像にするとこの話は7分程度
※全12話を予定しております
(作者の都合で変更になる可能性もあり)
【登場人物】
・ヒカル(17)
・ヒマリ(17)
・夢子(17)
・ノゾミ(17)
・ツムギ(17)
・ユッコ(16)
・ショーコ(16)
1 ヒカルの部屋(夜)
8畳くらいの洋間。室内はスッキリと片付けられている。
ヒカル、机に向かって、何か紙に書きながら、ニヤニヤして独り言。
ヒカル「ほんと、一年生入部してくれてよかった~」
そこへ、急にドアノックもせずにヒマリ(17)が入ってくる。
ヒカル「うゎ! なんだ、ヒマリか~!」
ヒマリ「おーっす、ヒカルママにお裾分け来たついでに会いに来た」
ヒカル「毎回言ってるけど、ノックぐらいしてよ」
ヒマリ「なに~? 見られたくないものでもあるの~?」
ヒカル「そんなのないけど、プライベート空間でしょ」
ヒマリ「はーい、次から気をつけまーす」
ヒカル「それで気を付けたこと無いから言ってるの」
ヒマリ、ヒカルの言葉を気にもせず、本棚をあさっていたが、ヒカルの作成物を見る。
ヒマリ「何それ?」
ヒカル「あ、これ? 演劇部に新入部員が入ったから、基礎練習表作ってんの」
ヒマリ「へぇ~新入部員入ったんだ?」
ヒカル「そうそう! それが部長のこと気になってる子みたいでさ!」
ヒマリ「部長って、この前、木こりやってた?」
ヒカル「そう! 木こりの」
ヒマリ「その子、変わった趣味なんだね。何人入ったの?」
ヒカル「女の子二人!」
ヒマリ「ヒカル、ニヤニヤしてて気持ち悪い~。後輩入ったからって先輩風吹かせんなよ」
ヒカル「先輩風なんて吹かしてないわい」
ヒマリ「そうだと良いけど! それじゃ、そろそろ帰るわ」
ヒカル「こんな時間に危ないし、送るよ」
ヒマリ「ヒカルは過保護だなぁ。近いし一人で大丈夫だよ」
ヒカル「そんな事言ったって、ヒマリは女の子だろ」
ヒマリ「女の子だけど、二分先の家に送迎なんていりません~。それじゃまた明日ね」
ヒマリ、そう言ってヒカルの部屋を出ていく。
ヒカル「もーいつも人の言うこと、聞かないんだから」
2 崋山高校・演劇部部室
体育館の裏にあるクラブハウス棟の一室。
室内は、隣の部との境目をロッカーで仕切られている。
端にテレビと古いプレステが設置されており、衣装や小物が溢れている。
そこへ、ヒカル、夢子、ノゾミ、ツムギが入ってくる。
ヒカル「ちょっと狭いけど、どうぞ入ってー」
後からユッコとショーコが入ってくる。
ユッコ・ショーコ「失礼します」
二年生と一年生が対面になって座る。
夢子「お昼休みに呼び出しちゃってごめんね」
ショーコ「いえ、全然問題ないです!」
ヒカル「早速なんだけど、今日OB・OGの先輩方が来るから、事前に話しておこうと思って」
ツムギ「あ、全然、お弁当食べながらで気楽に聞いてね。僕たちも食べるし」
二年生、持ってきていた昼食を持ち上げてアピールする。
ヒカルは購買のパン、夢子とツムギはお弁当、ノゾミはコンビニで買ったサラダパスタ。
ノゾミ「そんで~、今日来るOB・OGの先輩はマジでヤバイの! 去年、卒業した先輩なんだけどぉ、滅茶滅茶、演技も上手だったし、私の憧れの先輩だかんね!」
夢子「この前のオズの魔法使いは、元々、その先輩たちが地区大会でやったやつなの。先輩が抜けた所に私たちで配役替えしたんだよ」
ユッコ「そうなんですか~!」
ヒカル「それで、今日の練習見て、今度ある新人デビューフェスティバルの脚本を先輩たちが書き下ろしてくれるんだ」
ユッコ・ショーコ「新人デビューフェスティバル?」
ツムギ「春にやる一年生お披露目の為の大会だよ」
夢子「毎年、うちの部では前年度に卒業した先輩が脚本を書き下ろしてくれることになってるの」
ノゾミ「ほんと、超良い年に入部したわ~! 羨ましいぞ、おら、おら!」
ノゾミ、何故か隣にいたツムギに何度も肘鉄をくらわす。
ツムギ「痛い、痛いって」
ヒカル「良い脚本を書いてもらえるといいね」
ユッコ・ショーコ「はい!」
3 同・渡り廊下
クラブハウス棟から校舎に戻る屋根のある連絡通路。
グランドを横目に見ながら歩いているヒカル。
前には、盛り上がっているノゾミとツムギ、夢子の姿。
ヒカル、自分の後ろを歩くユッコとショーコに話かける。
ヒカル「ユッコ、部長のジャージ持ってきたの?」
ユッコ「洗って持ってきましたよ。ヒカル先輩、そんなニヤついた顔で見るのやめて貰っていいですか?」
ヒカル「うそ、ニヤついてた?」
ショーコ「ずっとニヤついてますよ」
ヒカル「まじか。でもさ、うちの高校って学年ジャージ別々の色じゃん? 先輩の学年の色って何かカッコいいよね」
ユッコ「確かに。山上部長の学年、赤色ジャージでカッコいいですもんね」
ヒカル「俺らは、今一年生のカラーの緑色が、一年の時の三年生の色だから憧れてたかも」
ショーコ「緑ジャージちょっとダサくないですか? それに妹とかいても学年カラー違ったらお下がりできないの残念ですよね」
ヒカル「確かにそれ不便だよね」
ユッコ「ヒカル先輩は、兄妹いるんですか?」
ヒカル「ううん、一人っ子。妹みたいな幼馴染がいるけど……」
その時、予鈴のチャイムが鳴る。
キーンコーンカーンコーン
ヒカル「やべ、予鈴なっちゃった」
夢子「ヒカルくーん、予鈴なっちゃったから急ごうー!」
ヒカル「わかったー! 二人も急いで帰りなね。また部活で!」
ユッコ・ショーコ「はーい」
一同、走って校舎に入っていく。
【次回に続く!】
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