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森ビヨ・勝手にアナザーストーリー4話

【森ビヨ・勝手にアナザーストーリー4話】

この作品は、勝手に考えた『眠れる森のビヨ』のアナザーストーリーです。
基本的に皆、幸せになって欲しい。序盤はネタバレ考えてません。
原作者さま、演劇女子部さま、アップフロントさまとは全く関係ありません。
ご了承ください。

※映像にするとこの話は7分程度
※全12話を予定しております
(作者の都合で変更になる可能性もあり)

【登場人物】

・ノゾミ(17)

・ツムギ(17)

・カナエ(17)

・タマエ(17)

・山上(18)

・浜田先輩(18)

・ネネ(17)

・ヒカル(17)

・夢子(17)

・ユッコ(16)

・ショーコ(16)

※小嗣先輩(19) 演劇部OG。演技が上手い。明るく後輩をいじる

※蓮本先輩(19) 演劇部OB。眼鏡のインテリ系。透き通った歌を歌う

(※=オリジナルキャラクター)


1 崋山高校・2年B組教室

  放課後、清掃時間の2年B組教室。

  ノゾミ、窓の外を眺めて、ホウキを抱えたまま棒立ちしている。

  その後ろでは、ツムギが教室をホウキで掃いている。

ノゾミ「はぁー。小嗣先輩と蓮本先輩来る日なのに何で掃除当番な訳―?」

ツムギ「まぁ、仕方ないよ。班で順番なんだし」

ノゾミ「マジで最悪―! てか、他のメンバーどうした?」

ツムギ「塾があるとかって先帰ったよ」

ノゾミ「はぁ? 何で先帰ってんの? 塾より先輩のが大切だろうって」

ツムギ「それ、僕に言われても……」

  そこへ、カナエとタマエがやってくる。

タマエ「ノゾミー、C組終わったよー。部活いこー!」

カナエ「え、もしかして掃除当番?」

ノゾミ「あー! 聞いてよー! こんな日に限って、こいつと二人きりで掃除当番」

カナエ「ついてないねー」

タマエ「二人ともお疲れ! 私たち、先、部活行ってるよ?」

ノゾミ「えー! 私も行きたいー!」

カナエ「早く終わらして来なよー?」

タマエ「ファイトー!」

  カナエ、タマエ、手を振って出て行ってしまう。

ノゾミ「あー、最悪ぅ!」

ツムギ「ねぇ、ノゾミも手伝ってよ。早く終わらせたいでしょ?」

ノゾミ「あ゛―! 分かってるけど、アンタに言われると何かムカつく!」

  ノゾミ、嫌々、ホウキでごみを集めると、ツムギが塵取りを構える。

ツムギ「ノゾミって本当に小嗣先輩のこと好きだよね」

ノゾミ「好きっていうか、永遠の憧れ! だって、あのドロシー見せられたらね。最高だったもん! あ、もちろん夢子のドロシーも良かったんだけど!」

ツムギ「うん、そうだね」

ノゾミ「マジで、あんなに完璧なのに全国大会いけないなんて信じられなかったもん! だって……」

  ツムギ、ノゾミの止まらない先輩たちへの思いを頷いて聞いている。


2 同・演劇部部室

  緊張気味に姿勢よく座っている山上といつも通りゆったり足を組んでいる浜田(18)。

  目の前には、OGの小嗣(19)とOBの蓮本(19)が立っている。

蓮本「はい、これ、差し入れ」

  蓮本、山上に箱入り栄養ドリンクの入った袋を渡す。

山上「あ、ありがとうございます!」

小嗣「相変わらず、山上は固いな~。ちゃんと部長やってんの~?」

山上「……なんとか」

蓮本「(眼鏡をくいっと上げながら)それで、部員は何人入ったの?」

浜田「可愛い女の子二人ってところですかね~」

小嗣「えー! 凄いじゃん! 女の子二人も入ったんだー?」

山上「……まあ、なんとか」

小嗣「三年生が口下手男とチャラ男の二人だから、女の子は入らないかと思ったー」

浜田「俺達そんなイメージなんですかー? これでも、優秀な生徒会長ですよー?」

蓮本「対抗馬がいなかったんじゃないの?」

山上「いや、浜田の場合、女子人気で票集めるんですよ」

浜田「ま、そうですね~、イケメンなんで」

小嗣「はいはい。そんなことより、早く新入生見に行こうよー!」

蓮本「そうだな。そろそろ行こうか」

山上・浜田「はい」


3 同・体育館舞台

  ノゾミ、ツムギ以外の部員達、発声練習中。

  上は制服で下は体育着姿。一年生は緑ジャージ、二年生は青ジャージ。

  ネネ(17)一定のリズムで手を打ちながら

ネネ「短音い・く・よー!」

一同「あっ・あっ・あっ・あっ・あーー!」

ネネ「いち・に・さん・しー」

  そこへ山上、浜田、小嗣先輩、蓮本先輩が入ってくる。

小嗣「おー! やってるねぇー!」

カナエ・タマエ「きゃー!! 小嗣先ぱーい!!」

  カナエ、タマエ、小嗣先輩に抱き着いてワイワイしている。

山上「はい、挨拶するから一回、集合してー」

  山上、蓮本先輩を中心に小嗣先輩にベッタリなカナエとタマエと一同が円になる。

山上「えー、今日は昨年卒業した蓮本先輩と、小嗣先輩が来てくれました。新人デビューの脚本を書いていただく為に、稽古を見てもらいます。皆、いつも通り元気にやりましょう!」

一同「はい!」

小嗣「何か、山上が先輩らしいこと言ってる~!」

山上「ちょ、やめて下さいよ……」

浜田「はい、それじゃ、改めて、蓮本先輩、小嗣先輩よろしくお願いします!」

一同「お願いします!」

ヒカル「部長~! 今日は何やるんですか?」

夢子「たまにはエチュードとかどうですか?」

山上「いいね、エチュード! 先輩方、良いですか?」

蓮本「即興劇いいね。一年生も大丈夫かな?」

ユッコ・ショーコ「はい!」

蓮本「それじゃ、早速、お題決めて始めようか。板付きでも袖から始めても構わないから」

一同「はい!」

小嗣「そういえば、ノゾミとツムギはー?」

タマエ「今日、掃除当番で遅れるみたいです」

蓮本「アイツらなら、途中からでもエチュード入り込めるだろ」

浜田「そうですね。何だかんだいって、いつも二人で協力してる奴らなんで」

ヒカル「お題どうしますか?」

小嗣「初恋! とか、どうでしょう?」

  女子、キャーキャー騒ぎだす。

浜田「たまにはロマンスも良いかもしれませんね~」

蓮本「はい、じゃあ、お題は初恋で。手を叩いたらすぐ始めるので場位置ついてー」

  部員達、それぞれ下手や上手にぞろぞろ捌けていく。

蓮本「はい、いきまーす。よーい」

  蓮本、パンっと手を叩く。

【次回に続く!】


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