「自分を受け入れる」って?
感情が出るのは正常な事
「なんで自分がこんな事になるのか。。。」
「なんでもするからどうか元の身体に戻して欲しい。。。」
「もう自分はダメなのかなあ」
2021年に脳動静脈奇形が原因で脳出血した際、入院中に様々な感情が襲ってきました。発症から10か月経過した現在、自分の病気や後遺症・これからの人生をようやく受け入れることが出来ました。
「自分を受け入れる」と言葉ではよく聞きますが、実際は難しいと思った事はありませんか?その受容のプロセスを今回の病気で身をもって経験する事ができたので、まとめてみようと思います。
受容プロセスモデルとは?
身体が思うように動かない現実を受け止められず、頭で理解できない。そんな日々が続き、前向きな気持ちになる事が全くできない状況だった時、心理カウンセラーより受容プロセスの話を伺い、調べてみました。調べてみるといくつかのモデルが出てきますが、私はキュブラー・ロスが提唱した「死の需要モデル」がしっくり来たので、今回はこちらをご紹介します。
この考えでは人が死を受け入れるまでには5つの段階に分かれているとされており、以下の過程をたどると言われています。
①否認
起こった事に対して、「こんなはずではない」「何かの間違いだ」と現状を受け入れられない状態(事実を認めようとしない心の防衛反応)
感情はマヒしていような状態。
②怒り
受け入れがたい事実に対し、次第に悲しみや怒りの可能が出てくる時期。
「こんな事になるなんて」「ふざけるな」
どこに向けてよいのか分からない感情
③取引
何かにすがろうという心理状況。その状況を無効にしようとする感情や思考に変化する段階
「神様、どうかお願いします。」といった感じ
④抑うつ
神頼みも取引も無駄であるという現実に直面した段階
「もう生きていけない」「死んでしまいたい」「誰も助けてくれない」
⑤受容
時間の経過とともに感情が落ち着く。また、神頼みも意味がないと心で理解し、起こった現実を受け入れようとする段階。
「前向きにならなきゃ」「これも自分の運命」
私の場合(脳出血発症~受容までの約6か月)
①否認
退院するまでの4か月はこの段階だっと思います。
振り返ると、顔に表情もなく、意識的に感情を消して、決められた検査と
リハビリを淡々とこなす日々だったと思います。
②怒り
リハビリ病院を退院後、様々な感情が湧き出ました。
特に、「なんでこんな事も出来ないんだ」「なんでこんな目にあわなくてはいけないのか」とうような怒りの感情を出すことが多かったです。
・この受容プロセスモデルを心理カウンセラーに教えてもらう
・面会不可だった為、家族とゆっくり話す機会をようやく得た事
・普段の生活に戻ったので、病前の自分と比較する事が増え、出来なくなっていることが多くあることに愕然とした事
上記3つがきっかけで、家族に感情を吐露するようになり、ノートに日々の感情を書きなぐることも行いました。
そうすると、自分がどうなりたいのかが徐々に明らかになってきます。
その結果、リハビリの目標(具体的なゴール)が定まりました。
・年内に自動車の運転を再開する
・はたから見て心配されない程度の見た目で歩けるようになる
・9月には社会生活へ復帰する(この時点で5月)
③取引
上手くできないことが続くと弱気になり、「誰か何とかしてくれないかな」という気持ちになったりもしました。
④抑うつ
疲れやすかったり、天気の悪い日は頭が重く起きている事が辛い日もあり、
何もできなくなりぼーっとしてしまう事も多々ありました。怒りと抑うつの状態を行ったり来たりしている感じがありました。
⑤受容
感情が強く出てしまっても、抑うつ状態になっても、それは普通の事であると考えるようにしていました。その日の状態をノートに書き、客観的にみるようにもしていました。すると、ノートに書いている言葉も徐々にではありますが前向きな言葉が増えてきました。そして、自分の現状と後遺症を受け入れた結果、具体的なゴールをひとまず達成する事ができました。
振り返り
強く思う事は、「時間はかかったとしても、いつか受け入れられる日が来る」という事です。また、そのためには、感情を出すことがとても大事なことだと私は感じます。
私たちは、「泣いちゃだめ」「怒っちゃだめ」と、子どもの頃から感情を出さないように言われることが多かったではないでしょうか?そのため、感情はさらけ出してはいけない事だと認識してしまっているかもしれません。
私は自分の病気を通して、自分に湧き出る感情を無視せず、受け止めて理解する事、その感情を解放するためには何をしたらよいのか考えることが、
「自分を受け入れる」ことにつながっていくことを学ぶことができました。
この考えが、何かに苦しんでいるどなたかに少しでも参考になれば幸いです。
チネイザン専門サロン調和
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