これは「好き」を見つける物語─『Landing Point』風野灯織シナリオ感想
─自分のことが大嫌いな人間が、
何かを好きになることなんて、絶対にないと思いますけど
〈まえがき〉
本記事では新プロデュースシナリオ『Landing Point』の風野灯織コミュについての内容を含みます。ご一読の上お付き合いくだされば幸いです。また本記事はシナリオの感想文になっています。ゲーム性の攻略については取り扱いませんのであらかじめご了承ください。
およそ1か月ぶりの更新、感想文に限れば1か月半ぶり…みなさまお久しぶりでございます。ぱーるです。ところでみなさんには好きなものはありますか?私は灯織が好きです。そう…
灯織!!!!!好きだーーーーー!!!!!
…取り乱してしまいました。話を戻すと、ユニット単独ライブを控えた灯織がパンフレットのプロフィールをきっかけに自分の「好き」について見つめ直すお話が『Landing Point』風野灯織シナリオです。宣言します!この感想文を読み終える頃にはみなさんも灯織と一緒に「好き」を見つけることになるでしょう…!世は既にイルミネどころかアンティーカのシナリオで盛り上がっていますがくじけません。灯織の話です。では、早速見ていきましょう。
知らない
上手く回答できずばつの悪そうな灯織。かわいいね
イルミネ単独ライブが決まり、そのパンフレットに載せるプロフィールを改めようというところから物語は始まります。すぐさま書き始めたものの、「好きなこと・好きなものは?」という質問で筆が止まってしまいます。別に「ない」わけではないのです。
しかし…
以上の理由から無回答にしたいとのこと。ただシャニPも言ってますが、ここでは灯織の視野の広がり、成長を感じられます。何はともあれ、猶予もあるため、回答は保留になります。果たして灯織は「好き」を見つけられるのでしょうか。
そんなものはない
にべもない…。狂犬時代の灯織
一本丸々回想シーンのコミュ。『知らない』と対になってます。今の灯織と比べると低くて冷たい声ですね。れいれいの演じ分けが光ります。さて、このコミュの役割ですが、灯織のテーマのおさらいになってます。
この頃の灯織は、自分が嫌い=他に好きなものもない、だったので「好き」を「これから見つけていきたい」はすなわち自分を好きになりたいと同義の目標です。
何かを「好き」ということは、灯織が一つ自分を認めたという証左なのです
そういう意味で今回のシナリオは、たかだか好きなものを探すための物語、ではなくて灯織がアイドルとして、人間として自分をまた一つ認めるための物語なんですね。
わからない
テーマの再提示。今シナリオの『着地点』
内容的には上のシャニPが考えていることがすべてです。なのであとは同じ注文をしてイチャイチャするだけの2人をお楽しみください。
この柔らかなやりとり、一生見てられますね
そういえば前にもこんな話してたな。このときも大概イチャついてたけど
というわけでキーアイテム「コーヒー」が出てきたとこでこの節を締めます
本当に?
出来るはずさ ストーリーテラー 物語を変えろ!
タイトルを見るたびこのフレーズ思い出すって話。本筋とは関係ありません
というわけで本筋。結局期日までに「好き」を見つけられず、またもばつが悪そうにする灯織ですが…
有無を言わさないシャニPのフォロー。ほんまこいつイケメンやな
そしてこのあとのやりとりなんですけど…
あ゛ーーーーーーーーーー!!もうイチャイチャしやがって!!!!!!!正妻アピールやん!!!!!へぇ結構作ってんだ!!??最高じゃん!!!
結構作ってんねぇ!!!事務所まで来て!毎回手料理を振舞って!!そしてレパートリーを増やしたいって…通い妻灯織概念最高かよーーーーー!!!ていうかこの年賀状の時点で既に伏線は張られていたというわけですよ。
はい、もう答えはもう見えています。もう少しだけ見守ってあげましょうか
『ない』はずだった
こんな停め方するなんて…シャニP…嘘だよな…?
真顔で何の宣言…?かと思ったらどうやら何かがまとまった様子。話を聞いているとこの2つが灯織にとって日常になるまでの経緯が分かります。
灯織…ええ子やな…。お母さんの話はレアなので聞けてよかった
ここのエピソード可愛すぎ問題
っていうのは前置きで本題は…ってとこで風野家に到着します。ここの選択肢ではどれを選んでも続きはまた今度という運びになります。シャニPが続きを聞けない心配をしますが灯織は一蹴します。お楽しみはとっとくって訳だな。味な真似を…。
全ての結論はエピローグで語られますがとりあえずその前に…
ライブ本番
プレイの際はイルミネ3人揃えてを強く推奨します
ライブパートについては深く記述しません。が、ユニットを揃えると合間にコミュが追加されるためライブの解像度・臨場感がぐっと増すのでオススメです。イルミネLPリリース時は3rdツアー真っ最中というのもありライブの描写たまらんかったです。ちなみにゲーム性はまだよくわかりません。鋭意制作中という『FesTours』とはどう関係してくるのか…?面白いものになるといいですね。
イルミネパートは是非みなさん自身で見てほしいですが、灯織の個人パートには少し触れたいと思います。ちなみにライブは大成功したということで。それ以外ありえません(過激派)
ここで大事なことは、プロフィールの件から「好き」について見つめ直した灯織が、「好きなものでいっぱいだった時間」を過ごした、ということ。言い換えれば「好き」とはどういうことか再確認できたということです。別に明記されてないのでこれは想像に過ぎませんが、これがエピローグでの結論に繋がっていると思います。
『ない』はない
待ってたよ、その言葉
最初に言っておきます。このコミュは、最高です。グダグダ言う前にあまりに可愛すぎる灯織を見てください。結論はそれからでも遅くないはずです。
あ゛ーーーーーーーーーーこんなん結婚してるやんもう!!!!!!!!!どんだけ悶えさせれば気が済むねん!!!!!最高かよ!!!!!!!!!
はぁ…はぁ…すみません、取り乱してしまいました。いやほんと帰りの連絡入れたらご飯作って待っててくれるとかもうただのお嫁さんなのよ…。しかもみなさん気付いてます?ここの灯織の声がいつもよりさらに柔らかいことに。それはもう新婚さんの声なのよ…。ありがとう…ありがとう…!
さて!灯織の可愛さを堪能したところでいよいよこの物語の着地点、すなわち『Landing Point』を確認していきましょう。
みなさん聞きました?灯織が「好き」って、「料理するの結構好き」って!言ったんですよ!!手放しに好きって言えるものを見つけたんです!!!『そんなものはない』の項でも言いましたがこれは灯織がまた一つ自分を認められたということなんです。料理ができるということを灯織自身の個性として認められたと言ってもいいかもしれません。
遅すぎるなんてことはない。みんなが灯織の声を待っているのだから─
これにて物語は無事『Landing Point』へとたどり着いたわけですが、ここからはちょっとした考察にお付き合いください。
車内での話の続きということで、灯織にとって「コーヒー」は団らんのキーアイテム、料理は似ているけど少し違い、誰かのために料理をすることは好き、と灯織は語りました。ただ実は車内の時点ではまだどちらも同じだったのではないかと考えています。要はまだ料理が好きとは結論付けられてなかったんじゃないかと思うのです。
というのはあの時灯織は再三重要な話ではないと前置きしていました。もし「好き」を見つけたという話であれば灯織にとってもシャニPにとっても重要なはずなので多分時間をとってするべき話だと思うのです。では灯織が車内であの話を切り出した理由は何か?それはおそらく物語中で灯織が感じた2つの疑問点が解消したと、灯織が思ったからです。2つの疑問点とは、
・なぜプロデューサーと同じものを頼んだのか(コーヒーについて)
・なぜ料理を作りたがったのか(料理について)
この2つです。好きではないコーヒーを頼んだ理由、料理を作ろうとして「私、料理するの─」と言いかけた理由。ささやかに灯織を悩ませていたこれらの疑問を「団らんのキーアイテム」という答えで解消できたということをシャニPに伝えたかったんだと私は考えています。ひいてはこのことが何か「好き」に繋がるヒントになるんじゃないかって感じでしょうか。ただこれは灯織の中で完結した話だし、「好き」を見つけたって訳でもないから重要ではないと前置いて話したかったんだろうと思います。
ではここから料理について「好き」だと気付いたのは何故か。これは推測の域を出ませんが『ライブ本番』の項で書いた「好き」とはどういうことか再確認できたことがきっかけだったのではないでしょうか。楽しかったライブを通じて、誰かのために料理を作ること・喜んでもらうことは自分にとって「好き」に値することなんだと、灯織がここで気付いた。その着地点にたどり着くためのユニット単独ライブ─という理屈なら物語にも繋がりが生まれるような気がします。
そしてそれに気付けた灯織はシャニPに親子丼作って待ってたって訳です。自分の新しい「好き」を確かめるために。きっとそれは楽しい時間だったのでしょう。
誰かのために・喜ばせたい、その思いはずっとありました。その気持ちを「好き」と表現できたこと、大事にしてほしいです。これからも輝くアイドル・風野灯織を魅せてくれることでしょう。
EX1.よく笑う灯織
ここからは本編とは直接関係ない、然れども灯織について見逃せないポイントをさらうコーナーです。今回のシナリオを読んでてみなさん何か感じませんでしたか?灯織、会話してるときよく笑ってませんでした?論より証拠。こちらをご覧ください。
楽しそうに微笑みながら話すシーンがかなり多く見られました。灯織の雰囲気はずっと柔らかくなってきていましたが、会話の中でこんなに笑ったりというのは多くなかったと思います。対シャニPに限ればもっと顕著な変化だと感じます。さらに言えばシャニPの返しもフランクなものが増えてきており、2人の絆の深まりを感じる描写になってます。やっぱり結婚してた…?
EX2.シャニPが卑しい
こっちはLPシナリオに限らず最近の傾向なんですけどそれはズルいな、っていうシャニPの発言が目立ちます。かーっ!見んね霧子!卑しかプロデューサーばい!!
いろいろあるんですけど今回のシナリオでは断トツでこれ
わかります?これ。灯織の料理への思いを聞いて、求められること、そして喜んでもらうことが嬉しいと分かるや否やこれ。最初え?って感じだった親子丼を灯織の話を踏まえて改めて「食べたい」って言ってのけるシャニP、あんたちょっといい男だったよ。だけどズルい男。
聞いた?このときの灯織の声。めっちゃ嬉しそうだったよ。かわいいね
思えば夜コミュのときもそう
灯織にとって卵焼きは初めて誰かのために作った料理。どこか特別な品なのです。それを分かった上でリクエストしてんだぜ、こいつ。ここの灯織もものすごく嬉しそうに返します。
そら、もっと言ってやれ灯織!
まとめ
何かを好きになる、自分を好きになる─。灯織の根底にあるテーマが今回クリアされました。最初期の灯織の描写まで持ち出して描いていたので確信犯ですね。大きなブレイクスルーになったと思います。灯織はこんなにも成長したというのに当の私は感想文を書ききるのにリリースから1か月もかけてるなんて…。アンティーカもLP来ちゃいましたけど?遅筆にもほどがあります。精進したいです。
でも灯織は先に行ってても待っててくれるんだよな…
ところで「好き」を探すシナリオなもんで
こんなこと言い出すかも!?と思いましたが流石になかったですね。まぁそれどころか結婚しているのかと錯覚するようなシーンが多々あったのでそこは満足ですけどね。誤解のないように言っておきますが私は現状灯織はいわゆるPラブ勢ではないと思っています。ただそれは恋愛感情の理解の不足もあると思うので、「好き」と向き合って見つけた今の灯織は、場合によっては他のPラブ勢をごぼう抜きにするポテンシャルを持っていると思います。隠れ首位打者的な。またその話は別のところでできればと思っています。
恋愛感情ともいつか向き合うかもしれませんよ…?
今後フィーチャーされるであろう灯織のテーマは「学校でのライブ」でしょう。ご存じ灯織がアイドルを目指すきっかけであり、灯織の夢の一つです。最新のイベント『青のReflection』でもわざわざ取り上げていたあたり残っている大きなテーマということになりそうです。あれ、こんなところに『青のReflection』の感想文が…?
もし実現すれば灯織のアイドルとしての羽ばたきに関わるお話なので楽しみです。今後も要チェックや!
最後に!冒頭で宣言した通りみなさんも灯織と一緒に「好き」を見つけられたことと思います。え?知らない?わからない?ふふっ、『ない』はないんですよ。もう分かっているでしょう?そう…
灯織が好き
当たってましたか?これが、メンタリズムです。というわけで今後も続々追加されるであろう『Landing Point』のシナリオやイベント、あらゆるコンテンツに至るまで共にシャニマス沼に浸かって楽しんでいきましょう!それではこの辺で!ノシ
EX3.どうでもいい深読み
ここからは完全におまけです。本編で出てきてちょっと気になったシーンだけど多分深読みだからいいかってなったいわゆる没カットです。
①ちょっとした伏線
これは灯織がコーヒーをよく飲んでいることから好きになるんじゃないかと考えているシーンです。単純接触効果ですね。結果としてコーヒーと料理という灯織の身近なものが並び立ち、料理の方は「好き」に落ち着きました。コーヒーではありませんでしたがずっとしていたことが「好き」だったことからある意味伏線だったという深読み。
②一生聞けない
灯織が重要なことでないといって話をまた今度にするシーン。何を不安に思ったのかここでシャニPは「一生聞けない」ことはないかと強い言葉で灯織に問います。ここに違和感がありました。ですが上述の推測にある「この時点ではまだ料理が好きとは結論付けられてなかった」がもし真であるならばこう深読みできます。それは最終的に灯織は「料理が好き」と結論付けたため、このとき灯織がしようとしていた話と内容が変わったため、結果的にこのときの話は「一生聞けなく」なった、ということ。この時点とは違う結論を出すぞというメタファーだったかもという深読み。
以上です。あれこれ考えるのは読み手の特権なのでみなさんもいっぱい考えてみると面白いかもしれませんよ?では!
お し ま い