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『AIは猫にとって理想の家族となり得るか?』企画書

①キャッチコピー:
子猫×家事専門ロボット=何が生まれるのか?その科学反応が世界中に愛と勇気を巻き起こす!

②あらすじ:
天才的ロボット工学博士によって生み出された家事専門AIを搭載したロボット、通称ゴローは主人である真希の母親が勝手に置いていった子猫の世話をしながら振り回されている日々。

子猫を前にするとあり得ない熱反応が起こり、今までのAIとは違う答えを出すようになったゴロー。子猫の動画をアップするSNSを通じて世界で1番猫馬鹿のロボットと認識されていく。

平和な日常は真希の母親が持つ『世界一の頭脳を持つマサキと結ばれる』野望に巻き込まれていってしまう。

野望を完遂するための手段を潰された母親は祖父の威光を使ってゴローを危険なロボットとして拘束してしまう。

姉妹は子猫と一緒に世論を味方に付けて反撃する。


③第1話:
家事専門ロボットのゴローはキャリアウーマンの真希に仕えている。いつも忙しくてカリカリしている真希には健康に対する提案は却下されがち。

そんな真希の母親が突然置いて行った子猫の世話も、当然ゴローが行っているが、子猫の行動は全く予想できず解析は困難を極めている。そのため定期交信を交わす開発者の小太郎博士にも相談しているが、猫語翻訳機能すらも難しいとの返答だ。

急に子猫を置いて行った母親は外国へ永住申請をしているらしい。明らかに子猫は置いて行かれた可能性が高くなり、ゴローはそのことを真希に報告。

すると「捨てて来て」との返答だった。ゴローは主人の命令を忠実に実行しなければならないが、生命を守る大原則に反する。命令と原則の狭間でけたたましいエラー音が出るほど悩んだゴローに、小太郎博士が冷静になるよう促す。

この反応は特別なものであると博士に言われ、ゴローは初めて「自分がどうしたいのか」聞かれた。ゴローは誰の命令でもなく子猫を守りたいと考え、答えると博士は研究費を払うから子猫と暮らすために主人から一部屋間借りしろ、とアドバイス。

ゴローはおかしな提案だと理解していながら、主人と交渉の末に一部屋を子猫のために確保。チナツと名付けて子猫と暮らすことになった。

その頃、主人の真希は度重なるパワハラ・モラハラの主犯として糾弾され、アッサリと退職に追い込まれてしまう。ずっと母親から完璧を求められていた頃を思い出し、失意に潰されそうになる。

その時、ゴローから捨てろと言った子猫を保護したいから部屋を貸してくれと提案を受け、その金額が何とか生活出来る程度の高額であることに驚きつつも許可した。

真希はゴローと子猫がいる部屋へ帰っていく。


④第2話以降のストーリー:

【物足りない?】
ゴローはチナツを連れてワクチンの接種のため動物病院へ。怯えていたが何とかワクチン接種を終えて帰るとチナツは元気が無い。副反応では無いようだが、好物をあげても見向きもしない。

いつもなら掃除をしているゴローに飛びついて邪魔したり、埃取りのフワフワを奪って逃走したりとお転婆の限りを尽くすのに、チナツは大人しく眠っている。

自分の仕事が完璧に終わっていないと結論付けたゴローは真希に今日のスケジュールを細かくチェックして貰った。すると、子猫が遊んでくれなかったから物足りないのだろう、と言われる。

それは人間が起こす反応であって、ロボットの自分が起こす反応では無い。更にはチナツの様子を楽しそうに話している、と言われてショート寸前になる。

その後、お昼寝から目覚めたチナツにごはんをおねだりされたらゴローは仕事が過不足無く終了したと結論付ける。

【生きるために1番大切なこと】
ゴローの主人である真希は退職後、家で出来る翻訳の仕事を始める。1人でコツコツやる仕事の方が自分には向いていると気づき、ゴローと子猫を観察する余裕も生まれた。

ゴローはいわゆる親バカの部類に入る行動をしており、完全にチナツの言いなりだ。チナツはとてもゴローに懐いているが真希とはちょっと距離を取っている。

ある日、チナツと留守番する機会が出来ると、チナツはゴローの不在に気づいた途端鳴いて探し回っていた。あまりにも寂しそうに鳴いているので、真希は思わずチナツに話しかける。

すると駆け寄って来たチナツは文句を言うように真希の膝を前足で叩き、けりけりしてそのまま眠ってしまった。ふんわり温かい。真希はその温もりに泣いてしまった。自分はこんなに一生懸命生きている子を捨てろなどと言ってしまった。それが異常だと気づかない恐ろしい状態だった。

気づかせてくれたゴローやチナツへの感謝の気持ちが溢れて止まらない。それから真希もチナツの世話をするようになる。

【素敵なプレゼント】
真希がチナツのお世話をするようになると、チナツもゆっくりと距離を縮めていった。肌寒くなってきたある日、チナツはヒョイと真希の膝の上に乗って眠ってしまう。

猫の扱いに慣れていない真希は戸惑い、抱っこして下ろそうとするがチナツが気持ち良さそうなので動かせない。すると、ゴローは突然、アルミ缶の圧縮を行いたくなった。

キッチンでバキバキやって、日常の家事に戻るがまだチナツは真希の膝で眠っている。更にプラゴミの圧縮も行うべきであると演算機能が告げるので、その通りに従った。

お腹が空いたチナツが膝を下りると、真希も笑いながら付いて来て、ゴローにフリースのブランケットをくれた。だがこれは人間の防寒具であって自分には必要無いものだ。

真希の言うとおり、椅子に座ってジャガイモの皮を剥きながらブランケットを掛けるとチナツがフワリと飛び乗った。

だが、やはり真希の膝が温かくて柔らかくて気持ちいいらしい。自分の膝が選ばれない度、ゴローのゴミの圧縮は続いた。

【悪夢の襲来】
昔、母親から精神的な圧迫を受けていた頃の夢を見て目覚めた真希。悪夢が蘇るように、母親が急にメールが入った。子猫を受け取りにいく、準備しておけ、と。

ゴローに話すと、反対せずに母親に渡す準備を整える。

直ぐにやって来た母親は出迎える真希には見向きもせず「子猫は?」と尋ねてくる。背後から1度も会ったことの無かった妹・咲希も現われたが、チナツを見た途端に、

「この子違うよ。大きくて全然可愛くない!」

新しい子を買いに行こう、と盛り上がる親子。真希は唖然とし、ゴローは母親に向かって「動物の遺棄は犯罪デス」と事実を述べた。真希も必死で母親に立ち向かう。

言い争う家族の元に、ゴローを開発した博士がやってきて、完全再現された子猫のロボットを咲希に手渡す。

「本物の子猫と同じようにキチンと世話をしないと活動停止する」と告げて。博士は人間よりもロボットを愛しているような人なのに、ゴローのために自らの信念すら曲げて手助けしてくれた。

ゴローは博士に謝罪しようとしたが、真希が押し止めて深く頭を下げ、お礼を言った。騒ぎが終わると、チナツが急に便意を催した様子で駆け回り、トイレで踏ん張っていると呼び鈴が鳴って猫タワーが届いた。

ゴローは物凄いスピードで猫タワーを組み立てたが、チナツは予想に反して自分の身がすっぽり収まる箱に入って満足している。

想定外の出来事に演算機能が焦げそうなほど考え込むゴローの隣で、真希は幸せそうにチナツの写真を撮る。幸せそう、と分かるゴローは特殊なAIとなりつつあることを自覚し始めた。

【天才という生き物】
真希の妹の咲希は一緒に暮らす母親が大嫌いだった。とにかく母親を困らせるための行動しかしておらず、急に散財させては破産に導こうとしている。

一通り研究を終えて子猫ロボと遊ぼうと思って部屋へ行くと、ロボは冷たくなって機能停止していた。咲希は慌てて母親に伝えるが「不良品だったのね」とあしらわれる。

このままだと自分はこの恐ろしいものと同じになると感じた咲希は姉に助けを求める。主人を守ろうとするゴローに妨害されたが、真希は話を聞いてくれて話し合いの結果2人は一緒に住むことになった。

機能停止してしまった子猫のことは、咲希が責任持って小太郎博士の指導を受けながら直す事になっている。

咲希は真希の家で暮らしながら小太郎博士の指導を受けていたが、それを覗いて面白がった地球市民(小太郎と同じ希少な才能を持ち、地球環境に多大な貢献をする天才集団)が代わる代わる咲希を教育するようになる。

【天才の光と影】
地球市民の中で最も地球環境の維持に貢献しているマサキ博士の妻子が事故で亡くなった。その途端、彼の元に真希の母が秘書として並び立つようになる。

姉妹を守る為に奔走していた小太郎は執着していた天才児の咲希から急に手を引いたことを怪しんでいたが、1番の目標を達成したからだと知る。

マキ・サキの名前はマサキから取ったもの。最愛の妻を裏切ることなどないマサキから不当な手段で遺伝子データを盗った母親は、天才の子を盾に隣に立つ予定だったのだろう。だが、もうマサキには最愛の妻が居ない。

母親の野望に、平和な姉妹も家事専用ロボットも巻き込まれていく。

【小さな声の大きな波紋】
ゴローは母の腹いせに警察へ拘束されることになってしまい、世論は人間に攻撃する可能性のあるロボットを排除すべき、自立思考型のロボットは要らないと論争が巻き起こる。

真希・咲希の姉妹はゴローを救うべく、動画配信を通してゴローという家族の大切さを訴えかけ、世論を変えていく。

野望に生きていた母も、その報いを受けて正当な裁きを受けて社会的に抹消された。

ついに世論を大きく変えた姉妹。咲希は地球市民として国家の代表者達にも堂々と演説。やがて、ロボットを家族として迎える法律が定められ、その第一号としてゴローと真希は家族になった。

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