今までのこの子といた時間より、これからの時間のほうがずっと長い。
(2016.05.22)
日曜の朝、お布団の中でつらつらと思い出す。
『今までの時間より、これからの時間の方がずっと長い』
これは、
5歳の時
急性脳症で倒れ、2週間後に目を覚ました長女が
記憶をなくし親の顔も忘れ
言葉もすべてなくし
右目の視力を失い
これからのこの子。
これからのこの家族。
これからの暮らし。
一体どうなっていくんだろう。
ここはまっ暗なトンネルの中。
そんなときにかけられた言葉です。
5歳まで育ててきた、娘。
この5年間だって、とても普通の、平たんな道のりだったわけでは全然なくて。
極低出生体重児で生まれて
2種類の心疾患を持ち
口蓋裂の手術を終え
肝芽腫という小児ガンの手術と治療を終えてまだ1年も経っていない。
たくさんのことを乗り越えてきたわたしたち。
ここで、言葉も記憶もなくしても、
それでも。
この子は生きていく。
わたしたちも生きていく。
だから、
この先の時間の方がずっと長い。
あの可愛い声も、
上手だった歌も、
聞くことはできないけれど
誰にでも優しくて
「痛い」といえば「大丈夫?」とずっとさすってくれる
おどけてみんな笑わせる
赤ちゃんが大好きで「かわいいね」って離れなかった
もうあんな姿を見ることはできないけれど
でも、これからの方がずっと、ずっと長いんだ……
*****
あれから、もうすぐ3年になろうとしています。
直後は右目の視力をほとんどなくしていましたが
今ではほとんど回復し、
歩けるようになるかはわかりません、と言われたものの
現在は元気に動き回れるようになりました。
思い出したわけではない。
新たな関係を作りなおしたのだと思う。
今ではすっかりママっ子になりました。
先天性の基礎疾患もあれば
未熟児・早産時でもあれば
中途障害児でもあり
小児ガンサバイバーでもあり
なかなかにすごい経歴です。
いつも、親のわたしができることは
あきらめないこと
ただそれだけ。
在宅でフリーランス事務をしています。ママでももっと自分らしく仕事ができる働き方を広めたいと思い、活動準備中です。よろしければサポートお願いします✩︎⡱