中国の中古車eコマースプラットフォーム「Guazi (瓜子二手车)」が860億円を調達
中古車eコマースプラットフォームの「Guazi(瓜子二手车:グアヅゥ)」は、Cラウンドにて約8億米ドル(860億円)の資金調達を完了した。なお今回のラウンドにはテンセント(Tencent)が参加していた。春節(中国の旧正月)明けにC+ラウンドで5〜7億米ドル(540~750億円)を追加調達し、目標総額13~15億米ドル(1400~1610億円)を予定している。
個人が中古車をネット上やアプリで取引できる「Guazi」は、2015年9月に正式にリリースされた。2017年10月末「Guazi」は事業統合を発表し、车好多集团(CARS)に社名変更した。現在、车好多集团(CARS)は、中古車を扱う「Guazi」と新車を扱う「毛豆新车网(Maodou)」という2つのブランドを所有している。これまでに同社は、4回のラウンドで資金調達を完了しており、調達総額は17億米ドル(1825億円)に達している。
中国データ分析企業の易观(Analysys Ltd.)によると、自動車販売の分野で「Guazi」のAppは他の中古車eコマースAppを寄せ付けず、Appランキング1位を獲得している。昨年の売上高は、北京、上海、重慶、成都、深セン、武漢、広州にて1億人民元(17億円)以上であった。
中国国内では2015年ごろから中古車への注目度が高まり、2017年には中古車業界の成長率が20%増加した。中国汽车流通协会(China Automobile Dealers Association)の公開データによると、2017年の年間取引量は1200万台に達していた。
直近の2年間で、中古車eコマースを展開する企業が次々と資金調達に成功している。過去に「优信」と「人人车」が、それぞれ9.6億米ドル(1032億円)、4.6億米ドル(495億円)を調達している。昨年11月には、「大搜车(SouChe.com)」がEラウンドにて3.35億米ドル(360億円)の資金調達に成功した。これら中古車eコマース市場の成長の背景には、中国IT業界の巨大企業BAT(Baidu・Alibaba・Tencent)の存在が大きい。
「大搜车」にはアリババとアント・ファイナンシャル(蚂蚁金服:Ant Financial)が出資しており、それ以前にテンセントとディディ(滴滴出行:Didi)が「人人车」に出資している。また、「易鑫」と「优信」はテンセントとバイドゥから投資を受けている。
「Guazi」は、これまで巨大企業の投資を受けていない唯一の企業であったが、今回テンセントからの投資を受けている。中国の中古車eコマース業界の競争は、さらにエスカレートするだろう。