中国版ニコニコ動画「Bilibili」米国市場でIPOか
動画ストリーミングサービス「Bilibili」がIPO申請
3月2日、中国の動画ストリーミング「哔哩哔哩(Bilibili)」は米国証券取引委員会(SEC)にIPOを申請した。証券コードは 「BILI」で、上場により4億米ドル(425億円)を調達するとみられている。IPOの幹事証券会社は、モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)、JPモルガン・チェース(JPMorgan Chase)、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ(Bank of America Merrill Lynch)である。
「Bilibili」とは?
「Bilibili」は2009年に設立された動画ストリーミングサービスだ。当初は、ACG(アニメーションおよびゲーム)関連のコンテンツのみであったが、今ではビデオ、ゲーム、ライブ放送、ユーザーコミュニティなどの総合的なコンテンツプラットフォームとなっている。「Bilibili」ユーザーは、コンテンツを検索したり、他ユーザーと共有したり、自ら動画を作成することもできる。興味のあるサークルを見つけたら、メンバーと交流することも可能だ。
プロフェッショナルユーザーが作成した動画(PUGV)は、サービス全体の総ビデオ再生量のうち、約85.5%を占めている。 2017年のアクティブコンテンツ制作者数は、前年から104%増加していた。
高いユーザー定着度
同サービスユーザーの81.7%が1990〜2009年に中国で生まれた「Z世代」と呼ばれる若者である。目論見書によると、ユーザーの1日の平均利用時間は約76.3分であり、年間の正式会員継続率は79%以上に達する。「Bilibili」のユーザーがかなり定着しているようだ。
収益源はゲームコンテンツ
目論見書によると、2017年の総収益は非GAAP(非米国会計基準)で24.68億人民元(413.6億円)に達し、前年から372%増加している。なかでもゲーム分野は、2017年総収益の83.4%を占めている。 比較的新しいライブ放送や広告事業は、総収益に対してそれぞれ7.1%、6.5%を占めた。
上場により調達予定の資金は、プレミアムコンテンツで継続的にニーズを満たし、ユーザー体験を向上させるために使用する予定だ。それと同時に、クラウド技術、ビッグデータ、人工知能(AI)など、プラットフォームに関わる技術的強化をおこない、競争力を高める方針だ。
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