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【米スタンフォード大学の聖地】Windhover 瞑想センターでマインドフルネス教育について考えてみる

全米屈指の名門大学、スタンフォード大学でもマインドフルネス教育に力を入れている。去年10月、かねてから気になっていた”Windhover”という、スタンフォード大学内にある、瞑想センターに行ってきた。

ざっくり言うと、マインドフルネスとは「今、ここ」に意識を集中させ、雑念を持たず、リラックスした状態。その状態やその状態を目指すプロセスのことをいう。

最新の脳科学で「ストレス軽減」「集中力アップ」などの効果が実証され、アメリカではGoogleをはじめフェイスブックやインテル、マッキンゼーといった企業のほか、政府機関の研修でもマインドフルネスが取り入れられている。日本でも外資系やスタートアップ企業を中心に組織文化に広がりつつある印象。

スタンフォード大学のマインドフルネス

「シリコンバレーの発祥地」とも呼ばれるスタンフォード大学では「Die Luft der Freiheit weht(独:自由の風が吹く)」を校訓として人種・性別・民族・宗教を問わず優秀な学生が集まる。卒業生には世界各国の大統領や、大学教授、大手企業の創始者など、そうそうたる方々の出身校でもある。

そのスタンフォード大学で、マインドフルネスの教鞭をとっているのが、臨床心理学の博士であり「ハートフルネス」というマインドフルネスにもとづく変容的教育プログラムの開発者。スティーヴン・マーフィー重松教授。スティーブン教授は『スタンフォード大学 マインドフルネス教室』の作者としても有名ですね。ちなみに日本生まれなのだそう。

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『そこでは失敗の経験をもたず、自分の考えを主張し、議論に打ち勝って相手を納得させることに、たけている学生ばかりが集まる。だが一方で、彼らは相手に耳を傾けることは得意としていない』と教授はいう。

きっと移民国家で、競争が激しい世界ならではの、生きていく術だったのかと思う。しかし常に優秀で、自分の弱みを人に見せられない状態とは、確かに苦しい。

教授は、そうしたエリート学生ならではの苦しみから解放するために、マインドフルネスの講義をはじめたそう。

スティーブン教授によるマインドフルネスの講義は、こうした西欧的なコミュニケーション方法に慣れ親しんできた学生たちに大きな変化を及ぼしたはずだ。なぜならマインドフルネスとは、「今、ここ」の意識を大切にし、その場にいる自分や相手のすべてを受け入れることから始まるからである。

スティーブン教授によマインドフルネスの授業

たとえば、教授は教室をマインドフルネスの空間にするために、最初の授業は着物姿で登場し、学生たちに日本語で話しかける。

自分の知識や意見のみに夢中になっていた学生に、理解できない言葉や状況と向き合わせ、目の前の現実と自分の解釈の間にギャップがあることに気づかせ、今までの先入観を捨てて新しい目で世界を捉えなおすようように導く。

またある日は、お茶をこぼれるまで淹れ続けてみせて、満杯に入っているものを空けないと、新しいものは入らないと、見せる。

「あなたはこの茶碗のようです。あなたは仏の道についての知識でいっぱいだ。教えを乞いに来たとおっしゃるが、あなたの器はいっぱいだ。何も入れられません。私が教える前に、それを空にしてもらわなくてはいけません」
第2章 初心(Beginner's Mind)59P


すごい。体を張って禅の教えを説いている。このような体験型(?)授業を通して、ありのままを受け入れると言うような学ぶ姿勢を作り、学生たちに「今、ここ」を受け入れるマインドフルネスを伝えている。

The Office for Religious & Spiritual Life (ORSL)

ここスタンフォードにはORSLというオフィスがある。直訳すると『宗教・精神生活室』いや、多分違う。『宗教的、精神的に健康な状態を目指す人々のための拠り所、空間』と言ってもいいのかな?大学コミュニティ内の精神的および宗教的生活を指導、育成や強化を担う機関だと解釈すれば良いと思う。たぶん。

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ORSLでは、キャンパスから離れた時代にサポートとコミュニティを提供するために、多くの信仰を持ち、信仰を持たない人々のための一連のオンライン集会を主催しています。ここでは、個々のスピリチュアルケアにサインアップしたり、学生主導の宗教生活団体に参加したり、オンラインでヨガやマインドフルネス瞑想のクラスに参加したりできます。 (HPより抜粋)

宗教属性がある、ないに関わらず、精神的にも安定した学生生活を送れるようにサポートしてくれる機関が大学内にあるとはなんとも手厚い。さすが世界のスタンフォード大学という感じ。

私が一番興味が湧いたのはORSLが運営する<Spiritual Wellness>というサービスで、ヨガ、瞑想、マインドフルネスの入門コースなど、瞑想的な練習のための多くの機会や、意味のある人生を作るためのリトリートプログラムなども提供している。こんなサービス・・日本の大学にはあるのか?

Windhover Contemplative Center

そしてここがWindhover Contemplative Center.(多分ORSLが運営しているのだと思う)キャンパスで過ごす学生や教職員にひらかれた、心と精神を充電させる神聖な場所。マインドフルネスの授業やプログラムなども行われているそう。

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スタンフォード大学は、競争の激しい大学で教員、スタッフ、特に学生が直面する独特のプレッシャーを理解しています。明確な宗教的言及なしに、ストレスを和らげ、精神を活性化することに明確に専念する会場への容易なアクセスを提供することにより、大学はコミュニティメンバーがより幸せでより生産的になることを望んでいます。(HPより抜粋)

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あっ、中心ズレている。ご愛嬌くださいm(_ _)m

私がWindhoverに訪れた時は、数人の学生が床の上で寝ていたり、カップルらしき男女が椅子に座り、庭を眺めていました。いいな。そんなデートがしたい。きっと授業と授業の間にここに瞑想に来ているのだろうと思う。水が流れているような音が響き渡っていて、少し薄暗くて、心地よい空間だったなぁ。


私も、天井を見上げながら、大の字になってみた。

気持ちよかった。



変化が激しく、情報社会に生きている私たちの生活。心を落ち着かせるためには、静寂な時間を持ち、自分の内側に向き合うことが大切だと感じる。

Windhoverのような独りになれる空間が、キャンパスにあるって本当に贅沢だ。きっと欧米でも珍しいのだろう、と思う。それだけスタンフォード大学では、マインドフルネスの研究と教育が進んでいる証拠なのだろう。

日本の大学でもここまで学生のメンタルケアやマインドフルネス教育に力を入れているところはあるのだろうか?そんな疑問を抱きなら、Windhoverを後にした。

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余談ですが、この後スタンフォード大学のBook Storeに行きました。
教養コーナーにマインドフルネス関連の本がズラーリ!!

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スティーブン教授の本もバッチリ発見しました。

Windhoverに行った際には、ぜひBookストアにも寄ってみてね。

Windhover
Office of Religious & Spiritual Life
Stanford Memorial Church
450 Jane Stanford Way, Bldg 500
Stanford, CA 94305
United States

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