デッサン基礎 形の測り方〜計測〜
デッサンの基礎
形の測り方〜計測〜
どんなデッサンでも、形を図らなければ始めることができません。
まずは、基本的な鉛筆で行う測り方を学びましょう。
基本のモチーフ紙コップです。
先準備として、画用紙の紙コップを描く位置に中心線を描いておくと描く場所がわかり、進めやすいです。(紙コップなどの人工物は、左右対称であることが多いです。このようなモチーフは、中心線を描いておき、左右対称になるよう心がけて描き進めましょう。)
モチーフを目の前に置いて形を図っていきます。
この時、モチーフは自分の真正面に来るように起きましょう。(モチーフが2つ、3つなど多数の場合、切り取った構図の中心が自分の真正面になります。)手前すぎず、奥すぎず、下敷きに使っている画用紙の真ん中よりやや手前に置くのが良いと思います。
鉛筆を構え、図のようにしっかりと腕を伸ばします。
鉛筆の先をコップの端に合わせて、親指をもう片方の端に合わせます。
腕を伸ばしたまま、今度はモチーフの縦の幅を測ります。
コップの一番上に鉛筆を合わせ、1、2と図っていきます。
これで、コップの縦横比は1:1.5だということがわかりました。先に描いた中心線にこの枠を描きましょう。
この時、枠の大きさは、実物の1.3〜1.5倍くらいにしておきます。
次に、コップの口の大きさを測ります。同じように、コップの口の高さを図り、下にスライドさせて数えていきます。ここで、AとBの比率が1:3だということがわかりました。
次に知りたいのは、底面の幅ですね。口の横幅に鉛筆を合わせ、底面の幅と比べていきます。
これで紙コップを描くための大体の形が図り終わりました。
先ほどの中心線に、比率を加えていくと、こうなります。
あとは、紙コップの形を描きこんでいけますね!
この鉛筆計測法は、大体のモチーフに応用できます。鉛筆でなくても、測り棒で図っても良いです。
要するに基準の1を見つけて、他の長さを比べていくだけです。
しかし、これでわかるのもおおよその目安にすぎません。
これをマスターするには、測ることだけに集中するのではなく、自分の目で見たモチーフと図った形を見比べて描いていくことが重要です。
金沢美術学院
永井ちなみ