デッサン基礎 立方体の描き方〜形をとる〜
デッサンを始める上で避けることのできない「立方体」の形の取り方について学んでいきます。
「立方体」とは、正方形だけで囲まれた形であることが特徴です。日常生活で目にするのは、「直方体」の方が多いでしょう。「直方体」はレンガやティッシュ箱など、長方形で囲まれた形になりますので、それぞれ形が異なります。
デッサンの練習をする上で、正確に形が取れているのか明確になるのが「立方体」になります。特に初心者の方は、立方体を練習に取り入れていくのが、学びに繋がります。
早速、形をとる手順を説明していきます。
まず、モチーフの上端から下端の長さと左端から右端の長さを比べて、モチーフが収まる枠を描いていきます。手をしっかり前に伸ばし、鉛筆(または図り棒)を使って長さを比べていきましょう。
次に基準となる、手前の角の位置を探していきます。
角の位置を探るために、AとBの長さを比べ、真ん中の縦位置を書き込んでいきます。
さらに、角の⭐︎の位置を出すために、CとDの長さを比べ、横線を書き足していきます。
初めの枠と、縦横の線が描けたら、画用紙上ではこのような線ができているはずです。
ここから、底面と上面にある「斜線」を描いていきます。しかし、実際に、どれくらいの角度の線があるのか、見るだけではわかりません。そこで、ここで使える一つの計測方法として、「写し取り」の方法をお伝えします。
形を比べて測る方法と同様に鉛筆を前に出し、図りたい角度に鉛筆を重ねます。そして、姿勢、腕と手を固定したまま画用紙の上にスライドさせて角度を映し取っていきます。注意点は、途中で腕を曲げたり、猫背になったりしないことです。腕が動いてしまっては、せっかく合わせた形もずれてしまいます。腕を曲げることのないよう、カルトンからはしっかり体を離して距離に余裕を持たせておく必要があります。
角度を写し取ったら、余分な線を消して
立方体の形取り終了です。
いかがでしたか?
角度の写どりは、注意して行わないと角度がつきすぎてしまうことがよくあります。
しっかり、描いた後に目で見比べて確認してくださいね!
金沢美術学院 永井ちなみ