どこよりも詳しいRED(小紅書)マーケティング③— 「SPU × セールスポイント × ターゲット群」を意識せよ—[後編]
最初の一手で勝負は決まる! ファーストパーティデータで狙いを定める
RED(小紅書)でのマーケティング施策を「投前(投資前)」「投中(投資中)」「投後(投資後)」の3フェーズに分け、どのようにファーストパーティデータをフィードバックしながら全体を最適化するかを解説します。各段階でチェックすべきポイントを押さえるだけで、成果は大きく変わります。
1-1. ターゲット拡大:シード顧客層を捉え、新しい層へ波及
まず、既存のファーストパーティデータから「シード顧客層(最初にブランドに興味を持ちやすい重要顧客グループ)」を見極めます。どのようなユーザーがブランドに魅力を感じやすいのか、RED(小紅書)のどんなコミュニティに多く存在するのかを分析し、そこから類似する新規ターゲット層へと広げます。
1-2. 新製品共創:ユーザー視点でヒットアイテムを生み出す
既存商品の口コミやアンケート、閲覧データなどを深掘りして、新たなアイデアを具体化します。ユーザーが欲しがっている機能やデザインを開発段階から取り入れることで、発売時点からRED(小紅書)上で共感を得やすくなり、ヒット商品に育ちやすくなります。
リアルタイムで成果を引き上げる!今すぐ回したいPDCAサイクル
2-1. リーチの追跡:リアルタイムに効果を見きわめる
広告やキャンペーンを投下し始めたら、どの投稿が最も反応を得ているのか、どんなユーザー層が興味を示しているのかを細かくチェックしましょう。クリック数や「いいね」、コメントの内容から、ブランドへの理解度や購買意欲の高さを把握します。
2-2. きめ細かいターゲティング:PDCAを回して効果を最大化
投下した施策の途中経過を分析し、ユーザー属性や投稿の内容、配信タイミングなどを柔軟に調整します。反応が良い層に追加のキャンペーンを実施したり、影響力のあるインフルエンサーを新たに起用したりすることで、限られた予算でも成果を最大化できます。
数字がすべてを語る!結果を学び次の成功へつなげる分析術
3-1. 価値検証:短期的売上だけでなく長期的ROIもチェック
キャンペーンが終了した時点、もしくは一定期間が経過したあとに、売上やファンの増加数、RED(小紅書)以外での広がりなどを総合的に検証します。短期の売上だけでなく、長期的な投資利益率(ROI)やブランドロイヤルティが高まったかどうかも評価対象です。
3-2. 振り返りと原因分析:次の施策につなげるためのレッスン
成功・失敗の要因を多角的に分析し、次回のキャンペーンに向けて改善ポイントを明確化しましょう。ユーザーがどの経路で購入に至ったのか、どのコンテンツが効果的だったのかなど、具体的に把握することで施策の精度が大幅に向上します。
データを武器に、RED(小紅書)マーケティングで一歩先を行こう
RED(小紅書)で大きな成果を上げるためには、「投前・投中・投後」の各フェーズでファーストパーティデータを活用し、常にPDCAを回すことが欠かせません。
投前でシード顧客層を見極め、新製品やサービスのアイデアを練り上げる
投中ではリアルタイムにリーチを追跡し、きめ細かいターゲティングで効果を最大化
投後に売上やエンゲージメント、ブランドロイヤルティまで見直し、次の施策へ活かす
こうしたサイクルを回すことで、RED(小紅書)上での認知度アップと販売促進を同時に実現できます。ファーストパーティデータを軸にした全方位アプローチで、競合をリードするマーケティング戦略を築いてみてください。
RED(小紅書)での口コミ(商品認知拡大)を“科学”に変える方法
価値検証・ターゲットリサーチ・きめ細かい運用・新製品共創・ユーザー導線分析・投資回収率の徹底測定 ―
RED(小紅書)での商品認知拡大(口コミ)施策を、ファーストパーティデータを活用しながらどのように“科学的”に進めるかを解説します。価値検証やターゲットリサーチ、新製品の企画、ユーザーの導線分析など、複数の視点を組み合わせることで、より高い再現性と成果が狙えます。
1. 価値の検証
まずは、RED(小紅書)独自の価値を数値化し、投資(広告費用など)と成果(売上やユーザー数など)の関係を明確にします。
RED(小紅書)特有のメリット
口コミ・コミュニティによる自然拡散力が、具体的にどの程度の影響を与えるかを確認ファーストパーティデータの活用
顧客層の年齢・性別・購入額(GMV)などを分析し、どのカテゴリや価格帯に反応が高いかを検証SPU(商品ユニット)別の売上分布
どの商品がどの層に支持されているかを可視化して、ラインナップや価格設定を見直す
このプロセスで“RED(小紅書)ならでは”の価値を把握できると、後の施策設計がスムーズになります。
2. ターゲットリサーチ
ブランドや既存顧客、RED(小紅書)で見込めるユーザー像を多角的に調査します。
ブランドへ興味を持ちやすい層の分析
年齢・性別だけでなく、趣味やライフスタイル、購入動機を掘り下げ価格感度や購買頻度の違い
お金の使い方や購入タイミングを細分化し、刺さる訴求点を探る既存顧客と新規潜在顧客との比較
ファーストパーティデータにより、共通点や差異を明確化
これによって「どの層を、どんな切り口で狙うか」が見えてきて、施策のブレが減ります。
3. きめ細かい運用
ターゲットがはっきりしたら、ファンや有力な投稿(TOPノートなど)を参考にしつつ、細やかなマーケティング施策を進めましょう。
ユーザーが信頼する情報ソースを把握
KOL(Key Opinion Leader)やKOC(Key Opinion Consumer)など、誰が影響力を持っているかを確認人気投稿のスタイルを分析
写真重視か文章重視か、使い方紹介かストーリー重視かなど成功例を抽出購入への導線を設計
商品の特徴や口コミ、購入リンクを分かりやすく配置して、興味から購入までスムーズにつなぐ
この段階での調整が細かいほど、ユーザーの購買行動をしっかり後押しできます。
4. 新製品&プロモーション戦略の共創
データで得た知見をもとに、新商品アイデアやプロモーション手法を“ユーザーと共に”作り上げます。
ターゲット像の再確認
どんな機能やデザインを求めているのか、さらに深堀り告知キャンペーンやハッシュタグ戦略の立案
ユーザー目線で「使いたくなる」「共感したくなる」アイデアを検討コンテンツの試作→フィードバック
投稿サンプルやモックアップなどを使って、ユーザー反応を即時にチェック
“共創”アプローチがあると、リリース時点での口コミ拡散が大いに期待できます。
5. ユーザー導線の研究
ユーザーが実際にどんな流れで商品を知り、購入・ファン化に至るのかを分析します。
接触した投稿内容やタイミングの洗い出し
写真・動画・文章、どのメディアが決め手だったのかを把握購入までにかかる時間の測定
短期決定型かじっくり検討型かで、訴求ポイントや再アプローチの頻度が変わる総合的なエンゲージメント評価
購入だけでなく、いいねやコメント、ファン登録なども踏まえ、施策の効果を多面評価
このプロセスで得た知見を次のキャンペーンやUI改修に反映させ、継続的な成果向上を図ります。
6. マーケティング転換による付加価値と資産貢献の解析
最後は、実際の投資効果(ROI)やブランド資産への貢献度を可視化します。
商業的トラフィックの達成状況
どのくらい新規顧客が商品ページやブランドページを訪れたか、どのタイミングで離脱したかリピート(回帰)期間やロイヤルユーザー化の状況
一度購入したユーザーがどれだけ繰り返し買っているか、ファンになっているかGMVやROIの成長度合い
売上や投資利益率がどの程度向上したかを具体的に測定
短期の売上だけでなく、長期的なブランド価値の向上も把握することで、RED(小紅書)マーケティングの本質的な意味を引き出せます。
まとめ
RED(小紅書)での口コミ(商品認知拡大)は、一見“勘”や“感覚”に頼る印象もありますが、ファーストパーティデータを活用すれば“科学的”なアプローチに進化させられます。
価値の検証 で、RED(小紅書)特有の強みを数値化
ターゲットリサーチ で、狙うべきユーザー像を明確化
きめ細かい運用 で、興味から購入・ファン化までを効果的に設計
新製品&プロモーション戦略の共創 で、ユーザー視点を最大限に取り込む
ユーザー導線の研究 で、購買プロセス全体を把握し最適化
投資効果・ブランド資産への貢献 まで解析して、次の一手に備える
これらを繰り返すことで、RED(小紅書)における口コミ施策が“勘”から“科学”へと変わり、着実にビジネス成果を引き上げることが可能になります。
常時露出”だけじゃない!NIKEがRED(小紅書)を活用した「短期集中型」口コミアプローチ
― 季節イベント・新製品・エンタメ・公益活動など、多彩な“IP”を活用して女性層との共感を高める ―
以下では、RED(小紅書)での「IPマーケティング」の考え方と、「Nike × 小美説(シャオメイシュオ)」による女性層とのエンゲージメント事例を紹介します。
常時露出(Always on)に加えて、特定イベントや話題に合わせて短期的に集中させる施策(短期集中型)を組み合わせることで、ブランドの存在感や認知を一気に高めることが可能になります。
1. マーケティングIP:Always on だけじゃない、イベントを活かした「短期集中」の重要性
RED(小紅書)では、ブランドが年間を通して情報を発信し続ける“常時露出(Always on)”は欠かせません。
しかし、さらに以下のようなタイミングでのイベント(IP)を活用し、短い期間で大きく盛り上げる施策を組むと、爆発的な話題性を得やすくなります。
小紅書の大イベント
プラットフォーム公式が仕掛ける大型キャンペーンに合わせ、ブランドも参画してユーザーとの共感度を高める新製品の大イベント
新商品発表やプロモ強化のための特別企画を用意し、認知度・成功確率を上げる公益(チャリティ)イベント
社会的意義をアピールしつつ、新たなファンを獲得するチャンスに季節イベント・エンタメイベント
ホリデーシーズンや人気ドラマ・映画に合わせ、ブランドイメージを広げる
こうしたスポット的なイベントへの出稿や共創企画によって、常時露出では届けにくかった層にも口コミ(商品認知拡大)を広げることができます。
2. 「小美説」× NIKEの事例:女性ユーザーと深くつながる
RED(小紅書)は多様なコミュニティがあり、特に女性向けの健康・ビューティ・スポーツ関連は活発です。
ここでは、「小美説(シャオメイシュオ)」とNIKEのコラボ事例を見てみましょう。
6.7万件を超える関連ノート(投稿)
「小美説」に関連するトピックが大量に投稿され、女性が運動や健康を楽しむ姿を発信+6.9% NIKEブランド目標到達率がアップ
女性の健康・ライフスタイルにフォーカスした企画が、従来と違う層にもアプローチできた17999.9% NIKE Zenvy関連ノート閲覧数の増加
新ライン(Zenvy)に興味を持つユーザーが急増し、口コミも飛躍的に拡散14001% NIKE Zenvy関連検索数が激増
話題化の進行につれ、自然検索での露出が拡大し、新しい顧客を取り込むことに成功
このように、単なる広告出稿ではなく、「自分ゴト化」しやすいテーマ(女性の健康やライフスタイル)を設けて企画を展開することで、大幅なリーチ拡大とファン獲得を実現しています。
3. ブランドが目指すべき“イベント×コミュニティ”の掛け合わせ
RED(小紅書)で口コミを大きく広げるには、以下のポイントを押さえた“イベント×コミュニティ”戦略が有効です。
トレンドや季節感を押さえる
ユーザーが盛り上がりやすいテーマや時期をリサーチし、適切なタイミングで企画を実施するブランドの世界観・価値観を活かす
自社のミッションや製品特徴が活きるイベントを選び、“共感”しやすい切り口をつくるユーザー巻き込み型企画
自撮りチャレンジ、動画投稿、ハッシュタグキャンペーンなど、参加しやすい仕組みを設計する継続的なフォローアップ
イベント終了後も投稿をシェア、振り返り企画を行うなど、常時露出(Always on)につなげる
4. まとめ:Always on+短期集中施策で、女性ユーザーの心を掴む
RED(小紅書)で“常時露出”を続けていても、常に話題のピークを維持するのは難しくなりがちです。そこで、イベント期に「短期集中施策」を加えると、
限られた時間で一気に盛り上げる
新たなユーザー層を取り込む
既存ファンとの絆をより強くする
といった効果が期待できます。
実際に、Nike × 小美説のように、女性ライフスタイルに寄り添う企画を行えば、ブランドイメージが高まるだけでなく、検索数や関連投稿数も飛躍的に伸びます。
ぜひ、自社の製品・サービスに合ったイベントやテーマを探り、RED(小紅書)でのコミュニティを巻き込んだ短期集中型の口コミ施策を試してみてください。
ブランド構築 → 口コミ → ビジネス転換
● ブランド構築(人群資産)
最初に重視するのが「人群資産」と呼ばれるファン・コミュニティの育成です。
ユーザーとのコミュニケーションを活性化し、ブランド認知と好感度を向上
RED(小紅書)上での口コミや投稿が増えるほど、オンライン上のブランド資産が積み上がる
● 口コミ(商品認知拡大)
次の段階は、「コンテンツを通じて口コミが広がること」です。
投稿やノートを読み合い、コメント・いいねなどの相互作用が起こる
製品レビューや使用シーンの共有が盛り上がるほど、新規ユーザーが興味を持つ
● ビジネス転換(ROI・LTVの向上)
最後に、そうした動きが実際の売上や長期的な顧客価値(LTV)へとつながります。
購入やリピート率の向上、ブランド愛好者の拡大による安定的な売上
広告費・キャンペーン費に対して、どれだけの投資回収があるかが判断材料
この3ステップを循環させることで、RED(小紅書)上でのマーケティング効果を最大化できます。
口コミ(種草)の北極星指標
ここでは、「口コミの結果」と「口コミの過程」を測る2つの重要指標が紹介されています。
● 口コミの結果を見る:ROI(t+x)
広告費や運用コストに対して、どのくらいのリターン(売上)が得られたかを時系列で確認
t=キャンペーン開始時点、x=一定期間(30日・90日・180日など)を設定し、最終的な投資利益率を計測
● 口コミの過程を見る:人群資産
RED(小紅書)上で増加したファンや、積極的に投稿・コメントしてくれる“コアコミュニティ”の数や質
商品・ブランドに対する好意度、SNS拡散の広がりなどを把握し、どれだけブランド資産が育っているかを可視化
「口コミの結果(ROI)」と「口コミの過程(人群資産)」を両面から見ながら、短期的な売上成果だけでなく、長期的なブランド力も向上させることがポイントです。
3. ROI(t+x)の長期分析で科学的なマーケティング意思決定へ
ROI(t+x)をより深掘りして「長期的な価値」を可視化し、意思決定に活かす方法を解説します。
● 多角的な価値要因の分析
ROIの値:一定期間内に投資費用をどれだけ上回る売上・利益を生んだか
新規顧客の割合:どのくらい新たなユーザーが流入したか
GMV(流通総額)傾向:売上規模がどのように推移しているか
高客単価比率:高価格帯商品やリピート購入がどれだけ増えているか
● 不同な製品の投下期間・ROI推移
キャンペーンを短期で打つ場合と、長期で継続的に打つ場合のROIがどう変化するか
30日・90日・180日などの期間でグラフを作成し、どのタイミングで投資効果がピークを迎えるのかを把握
例えば「防晒クリーム」などの季節商品と、「食器洗い機」のような年間需要商品では、ROIの上昇パターンが異なる可能性がある
こうした分析を行うことで、短期的な売上最大化だけでなく、長期的なファン育成やブランド価値向上を含めた「科学的なマーケティング意思決定」が可能になります。
まとめ
ブランド構築 → 口コミ → ビジネス転換
ユーザーコミュニケーションを高めることで、自然な投稿や口コミが発生し、結果的に売上やLTVの向上につながる口コミの北極星指標:ROI(t+x) & 人群資産
短期的なROIを数値化するだけでなく、“コアファン”としてのコミュニティがどれだけ成長しているかも同時に把握する長期的にROI(t+x)を追いかけるアプローチ
30日・60日・90日…といった期間ごとに投資回収率を測定し、新規顧客獲得数や高価格帯商品へのシフトなど、複数の要因を分析する
RED(小紅書)でのマーケティングは、一時的な売上増だけでなく「ファンコミュニティ形成によるブランド資産の積み上げ」にも大きく影響します。ROI(t+x)という時系列での投資対効果と、人群資産の拡大を意識しながら戦略を練ることで、短期~中長期にわたる継続的な成果を得られるでしょう。