すーあくえすと♯5
第五章 秘伝の福神漬け
しおかぜ街に帰還したスーアとしうは、早速かくちゅに網戸を届けるため賭博場の建設現場へ向かった。そこでは、賭博場の完成が目前に迫っている様子が伺えた。
「かくちゅさん、ただいま!」
スーアが元気よく声をかけると、かくちゅが笑顔で迎えた。
「待ってたわ、スーア!これで網戸も完璧に取り付けられるわね!」
かくちゅが感謝の意を表した。
「こちらこそ、神秘の水の情報を教えてくれてありがとう。」
スーアが礼を述べた。
「賭博場ももうすぐ完成よ。もう少し待っててね。」かくちゅが誇らしげに建設中の建物を指差した。
建設現場では、新しいスタッフが続々と到着していた。その中の一人、白髪ロングの女性、さんたろがスーアたちの前に現れた。
「こんにちは、私はさんたろ。新しく賭博場のスタッフになりました。よろしくね。」
さんたろが自己紹介すると、スーアとしうも自己紹介を返した。
「カレーが好きなのね?」
さんたろが興味深げに尋ねた。
「ええ、カレーで世界を幸せにするのが私の夢なの。」
スーアが答えた。
「それなら、秘伝の福神漬けのことを知ってる?」「福神漬けは、カレーの風味をさらに引き立てる最高のトッピングよ。」
「ええ、本当に?」スーアの目が輝いた。「ぜひ教えてほしい!」
「バトグラ迷宮に秘伝の福神漬けが眠っているわ。案内するから一緒に行きましょう。」
さんたろの案内で、スーアとしうはバトグラ迷宮へ向かうことになった。道中、彼女の目標や夢について話が弾んだ。
「自分主催のイベントを開くために、しおかぜ街の賭博場で経験を積んでいるのね。素晴らしい目標だわ!」
スーアが感心して言った。
「ありがとう。スーアもカレーで世界を幸せにするという夢を持っているんだね。お互い頑張りましょう。」
さんたろが笑顔で答えた。
バトグラ迷宮に到着すると、三人は早速謎解きに挑戦することになった。迷宮の内部は、まるで脱出ゲームのような仕掛けが施されていた。
最初の部屋には巨大なパズルが待ち受けていた。壁一面に描かれた図形を正しく並べ替えることで、次の部屋への扉が開く仕掛けだ。
「これは…ちょっと難しそうね。」
スーアが頭をひねった。
「大丈夫、みんなで考えればきっと解けるわ。」
さんたろが励ました。
「この図形、もしかしてエルフの古代文字?」
しうが言い出す。
「違うわ、しう。それはただの幾何学模様よ。」
スーアが笑いをこらえながら言った。
しうの的外れな推理にも関わらず、スーアとさんたろは一緒に解決策を見つけた。ついに扉が開き、次の部屋へと進んだ。
次の部屋では、古代の文字が刻まれた石板が並んでいた。文字の意味を解読することで、次の扉が開く仕掛けだ。
「これは…何て書いてあるのかしら?」
スーアが首をかしげた。
「エルフの古代文字みたいだね。さっきの冒険で少し覚えたことが役立つよ。」
しうが笑顔で答えた。
「違うわ、しう。これはエルフの文字じゃない。もっと古い時代のものよ。」
さんたろが訂正した。
さんたろとスーアが一緒に解読を進め、ついに次の扉が開いた。
さらに進むと、暗号化された地図が出てきた。地図を解読し、正しい道を選ばなければならなかった。
「これは…どの道が正しいのかしら?」
スーアが迷いながら言った。
「地図を上下逆さまにして見ればいいんじゃない?」
しうが自信満々に提案した。
「いや、しう。それは違うと思う。」
さんたろが苦笑しながら答えた。
「どうやら、ここに隠されたヒントがあるみたいね。」
スーアが地図の隅に書かれた文字を見つけた。
ヒントを解読し、正しい道を選んだ三人は、ついに最終部屋にたどり着いた。
最終部屋には、黄金に輝く瓶が祭壇に置かれていた。それが秘伝の福神漬けだった。
「これが…秘伝の福神漬け!」
スーアが歓声を上げた。
「ついに見つけたわね。」
しうも感慨深げに言った。
「これで究極のカレーが完成するわね。」
さんたろが微笑んだ。
しかし、秘伝の福神漬けを手にした瞬間、迷宮が揺れ始めた。壁が崩れ、天井が落ちてくる音が響いた。
「急いで、ここから出ましょう!」
さんたろが叫んだ。
「迷宮が崩れ始めてる!」
スーアが焦りの表情を浮かべた。
「しう、何か対策はないの?」
さんたろがしうに尋ねた。
「うーん、もしかして…いや、これはただの地震かも。」
しうが的外れな推理を披露した。
「そんなこと言ってる場合じゃないわ!」
スーアがしうの手を引っ張って走り出した。
崩れゆく迷宮を駆け抜ける三人は、協力して次々と崩壊する障害を乗り越えた。石の破片が降り注ぎ、道が崩れ去る中、さんたろの冷静な指示とスーアの機敏な動きが功を奏し、ついに出口にたどり着いた。
「やっと出られた…」
スーアが息を切らしながら言った。
「本当に…もう少し遅れていたら…」
さんたろも安堵の表情を浮かべた。
「これで福神漬けは手に入れたわけだし、しおかぜ街に戻ろう。」
しうが笑顔で言った。
三人はしばしの休息を取り、再びしおかぜ街へ向かうことにした。
しおかぜ街に戻ると、賭博場が完成しているのが目に入った。煌びやかな建物が街の中心に立ち、賑わいを見せていた。
「これで賭博場も完成したわ。ありがとう、スーア、しう。」
かくちゅが感謝の言葉を述べた。
「こちらこそ、カレーの素材を見つける手助けをしてくれてありがとう。」
スーアが笑顔で答えた。
賭博場の完成を祝い、三人はしおかぜ街で一晩を過ごした。
「次はどこに向かうの?」
しうがスーアに尋ねた。
「次は、バックギャモン国へ材料を探しに行くわ。でもその前に、賭博場のオープンイベントが開かれるみたいだから、それを見てからにしましょう。」
スーアが答えた。
賭博場のオープンイベント当日、街は一層賑やかになっていた。煌びやかな装飾が施された賭博場の入り口には、多くの人々が列を作っていた。中では、麻雀大会の準備が着々と進められていた。
「ついにオープンね。」
スーアが感慨深げに言った。
「そうだね。とても楽しみだ!」
しうが頷いた。
「スーア、しう、見て!大会のエントリーリストに私たちの名前が載ってるわよ!」
さんたろが興奮気味に言った。
スーアとしうが驚く。
「え?どういうこと?」
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