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平隊士の日々 元治元年卯月十五

元治元年卯月十五  


起きて、掃除をしていたら、井上組長が来た。
「皆が、無理をしないように言うが、
稽古をしない方が病気が悪くなる。」と言い、
皆で稽古をする。
六番隊がやっと全員揃った。

朝食、湯豆腐、大根の味噌汁、大根のかす漬け、梅干し、ご飯。

本日の隊務割、
六番隊は全員っそろって、賄。
その他は、元気な者で、巡察と当直。

井上組長が、
「体調不良の者でも食べられる料理は何かないか。」と言うと
加藤が
「玉子ふわふわはどうですか。」
作り方を加藤が知っていて、おかずはそれにして、
「ご飯は、雑炊か粥では、どうでしょう。」
「じゃぁ、それに、粥が良い。」と組長。
加藤が、
「元気な隊士にはおかずが足らないかもしれないので、
煮売り家で天ぷらでもどうでしょう。」
「よし、それで行こう。」と組長。
隊士半分は、煮売り家へ天ぷらを買いに、
残りの隊士で準備と出汁用の昆布を買いに行く。
粥も玉子ふわふわも出汁が大事なので、出汁作り。
今日の出汁はカツオと昆布の合わせ出汁にする。
それぞれの出汁を作り、合わせておく。
ご飯を玉子と煮て玉子粥にする。
粥の付け合わせにワサビと海苔の佃煮、濃口醤油と浅葱を刻んで準備。
蕎麦猪口に出汁を入れる、
蕎麦猪口が足らないので、酒徳利にも出汁を入れておく。
玉子ふわふわはすぐ食べないといけないので昼食の直前に作ることにする。
煮たてた出汁によくかき混ぜ泡立てた卵を流し込み、
蓋をして少し待つ、蓋が持ち上がれば食べごろ。

昼食、卵粥、玉子ふわふわ、天ぷら、漬物。
卵粥に出汁をかけて食べる、美味い。
玉子ふわふわも一口食べる、美味い。
粥にワサビを加え、美味い、粥に佃煮、美味い、
今日のお昼ご飯は美味しくできた。

夕食は、何が良いか、井上組長に聞くと、
昼にご飯が凄く食べられて、夜のご飯が少し少ないので、
雑炊か何かで量増ししないといけない、肉も欲しいし、そこで組長に、
「しゃもの出汁で雑炊を作り、
しゃも肉は半分、こま切にして、あと、ショウガとネギを雑炊に加え、
残りのしゃも肉は酢で和えて、おかずにすると言うのはどうですか。」
「そうだな、おかずにもう一品欲しいな。」
「ウナギが近所の煮売り屋にあったので、それでどうでしょう。」
「よし、それでいこう。」
近所の煮売り屋だけでは、隊士全員分のウナギが買えなかったので、
四条から三条まで足を延ばし、ウナギをそろえる。
しゃもは、庭にいるしゃもだけで足りるので問題無いが、
明日からのしゃもが足りなくなるので、九条の方まで買いに行く。
ついでに、明日の朝食のための準備で、
井上組長に、
「漬物は何が良いですか。」と聞く
「そうだなぁ、ずいぶん前に食べた、近清の漬物が良いかなぁ。」
それを聞き、また、三条まで、出かける。
隊士みんなで、夕食作り。

夕食、しゃもとネギとショウガの雑炊、ウナギのかば焼き、しゃもの酢和え、大根の味噌汁
ショウガが効いているので、しゃもも食べれた。

次郎作は西巡察なのでいないので、
柳田と酒を少し飲み、次郎作が同じ大阪の出と言うと、
今度は三人で飲もうとなった。
少し酔っ払い、明日も早いので寝る。


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