龍馬の日記 元治元年皐月三
元治元年皐月三
お龍が賄をしている材木問屋に北添らが泊っているらしい。
長州の脱藩浪士も潜伏しているようだ。
一度、みんなと話をしなきゃあかん。
尊王の気持ちはみんなおんなじじゃきに、
過激なことは今一度、考えてもらわなならん。
もうこれ以上、土佐の仲間が捕らえられるのはかなわんきに。
勝先生も、どこの脱藩浪士でも構わんといっちょる。
これからの日の本は、海軍力を持ち、夷狄に負けないようにせないかん。
攘夷攘夷と言っている浪士も船に乗れば、
いかに夷狄が強力なのかがわかるちゃ。
その為にも、一度、皆と話がしなきゃいかんちゃ。
島原で、宴会を開くと言えば皆は集まるじゃろう。
飲んで話せば、尊王や攘夷の考え方もわかるちゃ、なかろうか。
ええ考えじゃおもうち、
お龍に人を遣って、
明日にでも皆を集められないか聞いてみるか。