見出し画像

龍馬の日記 元治元年皐月一

元治元年皐月一   


勝先生への手紙を持たせ、
近藤長次郎、沢村惣之丞と横井佐平太を神戸行きの船に乗せる。

昼四つ、昼めしをどうしようか考えていると、
「龍馬!」と声を掛けられる。
よく見ると、中岡じゃ。
「中岡、久しぶりじゃの、今は何をしている?」
「今は、長州で脱藩浪士をまとめちゅう。
土佐を脱藩しとるき、中岡じゃあないき。
石川清之助を名のっとる。」
「そいじゃ、石川。元気にしとっちゃか。」
「ほりゃ、げんきじゃ。おんしゃはどうぜよ。」
「あしゃ、元気ぜよ。昼になにを食うか迷ってるぐらいにな。」
「それじゃ、ウナギはどうぜよ。」
「うなぎか、そりゃいいな。」と言い石川とウナギ屋に入る。
「龍馬、おんしゃ今は何をしてるんじゃ。」
「あしゃ、この国ために海軍を作るために勝先生の下で働いているんじゃ。」
「そうか、何時かは、一緒にこの国ために働こうぜよ。
板垣先生にもあっとうせ。」
「あしがあったら、殺されるき。」
「大丈夫じゃ、容堂公とは違うきに。」

石川は北添達と違い、尊王だけにこだわらず、
この国の先を見据えているようで安心した。
石川と別れて、デートの約束を思い出し、岩扇に向かう。

デートの最中に新選組と会う。
組長と思われる若い人の殺気にも、お龍はひるまないので、
ますます、愛おしくなり、宿まで連れてくる。
「私はそんなおなごじゃありません。」と言うが、
「あしと夫婦にならんか。」と言い、
夫婦になる約束をする。
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?