平隊士の日々 元治元年卯月七
元治元年卯月七
いい気持ちで寝ているところに明け方夜襲、
慌てて、飛び起き、刀をつかみ立ち上がる。
今日あたり、あるんじゃないかと思っていたら、当たった。
森が一番隊の隊士に踏まれて、刀をつかんで飛び起きた。
六番隊は全員対応が出来たので良かった。
布団を片付け、掃除をして稽古。
いつも通りの朝食。
本日の隊務割は、午前が当直、午後が東巡察で、夜が西巡察。
当直と言うことで、いつでも出れる準備をして、
組長のところへ行くと、今日は副長が相手をしてくれるとのこと。
稽古場に行き、副長と掛かり稽古。
一息ついたときに、
「土方副長、防具のないところに竹刀が飛んでくるのは狙っているのですか。」
「そりゃ、そうよ、室内だと、振りかぶれないことも多いし、
隊士の剣術は命を奪う剣術ではなく、戦意を喪失させて捕縛する剣術だから、
そのうち、フランス式歩兵戦術も取り入れるつもりさ。」
フランス式歩兵戦術とはと聞こうとする前に、
さあ、稽古だ、と稽古が始まる。
昼食、焼き魚、煮しめ、いちじく、味噌汁、漬物、ご飯。
午後は、久しぶりに一番隊と東巡察。
一番隊は足が速いので、
浪士の後ろに回りきらない内に戦闘が始まるので、
一番隊より前を歩くが、いつの間にか、競争の様になってしまった。
井上組長が、
「おい、総司、俺らが前を行くが、競争ではないからな。」
「え、競争ではなかったのですか?」
「おい、おい、しっかり、巡察しろよ。」
井上組長と沖田組長は仲が良い。
いつもより、早く巡察終了。
夕食、茎野菜の味噌漬け、干物のお茶漬け、焼き餅、漬物。
お茶漬けがおいいしくて、三杯お代わりをしてしまった。
夜、西巡察に出かける。
物見游山の酔っ払いもいるため、注意して巡察する。
清明神社の傍で、浪士らしき集団に声を掛けるも、薩摩藩士であった。
屯所に戻ると、監察方が騒がしい。
どこかに、潜入している隊士が斬られたらしい。
とりあえず、寝る。