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楢崎龍の日記 元治元年卯月二十から二十三
元治元年卯月二十
ここのところ、なまりの強いお侍さんが沢山泊りになったり、
昼間から、障子を閉めて、会合をなさったりして、忙しい。
話によると、西の方から来ているらしい。
お食事の際も、刀を脇に置いて食事をするので、とても気を遣う。
元治元年卯月二十二
今日は、昼間のお客さんだけだった。
だんだら羽織を着た集団が、昼八つ頃、御用改めと来はった。
新選組と言いはるらしい。
客はと聞かれたので、お昼の客は半分帰っていたので、
帰りましたと答えるが、調べると言い、お店の中を歩き回っていた。
その後、名前を聞かれ、覚えておくと言われたが、
こちらにはその気はないので、忘れた。
元治元年卯月二十三
今日は、お母さんの勤めている材木問屋の賄の手伝い。
昼四つ頃、
また、そろいのだんだら羽織を着はった新選組がきはった。
昨日の客のことを聞かれたので、
八人来て、四人が帰りました。
何処の者かと聞かれたが、十津川郷士と言ってたような気がしたので、
十津川じゃないかと答えた。
昨日来たお侍さんが、礼を言って帰って行った。
名前を憶えてやろうと思ったが聞き忘れた。