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うめこと言う名で17才。

夕日が最後の明かりを消すように、夜のとばりが降りてくる。 

最後のクラブの後かたずけを一人でしていたうめこは、
額の汗をぬぐうと、体操着で手を拭いた。

もう、夏も終わり、今日で最後のクラブ活動になる。

寂しいような、誇らしいような気持ち。 
なんと言ったら良いのだろう。 
達成感とでも言おうか。
少し微笑んで、最後のボールをかたずける。

もう皆いない。 
いつも遅くまでやっている野球部も 
今日は追い出し会で早じまい。 
自分、一人で最後の、最後の、部活。 

遅くなり過ぎたので、慌ただしく、部室に入る。 
急いでいたので、扉の鍵を閉め忘れた。 

急がないと、追い出し会に出られない。 
イヤ、急いでも、追い出し会には出られない。 
自分は強くなってほしかっただけ、 
けして、彼女をみんなで笑いものにしようとしたつもりもない。 
たまたま、掴んだ運動着の裾から、破けた。 
まさか、破けるとも思っていなかったし、 
恥ずかしモノにするつもりもなかったが、
周りが笑った。
つられて、自分も笑った。

彼女を学校で見たのはそれが最後だった。 

汗臭い、体操着を脱ぎ捨て、デオドラントシートで体をふく。
ブラジャーの間から少し小さい胸もきれいに汗を拭きとる。 
お腹も、背中も拭いたところで、
デオドラントシートを取り換えて、椅子に座り脇から腕と足を拭く。
よく締まった足首から、筋肉質のふくろはぎを拭いて、
デオドラントシートを取り換え、立ち上がり、
少しぷっくりとしたおなかから、すべすべとした腿と柔らかそうな
お尻を丁寧に拭くとポニーテルの髪が大きく揺れる。

パンティーとブラジャーだけで、体を無防備に拭いていると
いきなりシャッター音とストロボが光る。

見ると、同級生が何人か扉を開けて見ている。

恥ずかしさに悲鳴も出ない。 

これは、彼女と彼氏の復讐なのだろうと思う。 

・・・
これは創作で、主人公に似た名前の人もフィクションです。
実在の人物や団体などとは関係ありません。 
あくまで、妄想ですので事実と誤認しないようにお願いいたします。
・・・

ブラジャーを取ろうと引っ張る男の子の鼻に頭突きを叩き込み、
グシャッと嫌な音が響く。 
パンティーを引っ張る男の子の股間を思いっきり蹴り上げ、
玉がつぶれる嫌な音がする。 
周りで手を出そうとしていた男の子たちは、
ビビったのか、動きを止めると、
そばにあった砲丸を持ち、
額から流れる血をぬぐいながら、一言。

死にたい奴は前に出ろ。

その一言で、男の子たちは蜘蛛の子を散らすように逃げたが、
鼻をつぶされた子と、玉をつぶされた子は、のたうち回っている。 

頭をつぶされたくなかったら、さっさと逃げろ。 
2分待ってやる。 
二人は何とか逃げていく。


この日、わが校の伝説が生まれた。 

伝説の名は、
うめこと言う名で17才。


・・・
これは創作で、主人公に似た名前の人もフィクションです。
実在の人物や団体などとは関係ありません。 
あくまで、妄想ですので事実と誤認しないようにお願いいたします。
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