あなたに届くように書こうと思う
家に戻り、振り返ると
月明かりでベロア調の雲は足早に去っていき
秋空はひんやりと冷気をおろしてくる
冷えた手先を包むように温めると
昼間の喧騒が嘘のように静まり返った
耳が痛いような静粛
風が音もなく首筋をさらう
あいまいな秋が
しっかりとした冬になる
そんなことを感じた
きっと、同じこの空の下にいる
玄関のカギを開ける
静粛を破る鍵の音
それに重なるように
遠くから、貨物列車が走る
あぁ、
あの列車はあなたが居る街まで
走るのだろう
あの列車の様に
あなたの街まで届くように
あなたに届くように書こうと思う
そんな、記事の紹介。