平隊士の日々 元治元年卯月八
元治元年卯月八
今日は一段としゃもがうるさい。
布団をかたずけ、掃除をして、稽古。
朝晩の寒さも身にこたえなくなってきた。
相変わらず、井上組長は元気だ。
朝食、ゆで卵、壬生菜のお浸し、梅干し、味噌汁、ご飯。
本日の隊務割、午前が東巡察、午後が西巡察。
土方副長が全員に向かい、
「昨日、入隊した隊士が多いので、後日、隊士割を変更する。
また、噂を聞いているかもしれないが、
監察方の松山磯之助が斬られた。
調査しているので、騒がないように、
入隊時に禁止事項を聞いていると思うが、
正式に局中法度書を定めたので、後で、よく読んでおくこと。」
十番隊と東巡察。
石井が死番、十番隊との巡察はずいぶん久しぶり。
隊士の移動があるとのことで、
森が
「一番隊や三番隊は大変そうで嫌だなぁ。」
藤沢は、
「一番隊が精鋭部隊なら、一番隊が良いな。」
などと、好き勝手を言っている。
僕は、井上組長と一緒が良いと思うが、どうなるかはわからない。
巡察も終わり、屯所に戻る。
昼食、昼から、しゃも鍋、天ぷら、煮豆、漬物、ご飯。
十番隊と午後の巡察に出る。
北野天満宮の東、西柳町の角で、浪士らしき一団を発見。
原田組長が声を掛けるも、逃げられる。
近所を捜索したが、発見できず。
後を監察方に任せ、巡察を続ける。
森が、
「浪士が多くなってるようで、浪士を見かける事が多い。」
確かに、浪士が多くなってる感じはする。
大物浪士を捕縛すると、手当が出るので、うれしい。
巡察にも慣れ、死番の飛び込み方も、覚えて、
怪我をしないようになった。
屯所に戻る。
夕食、牡丹鍋、漬物、梅干し、ご飯。
これから、暖かくなると、鍋はきつくなるので、
何か別の夕食を考えておくことにする。
原田組長が酒をもって現れる。
やたら、藤沢に十番隊に移動しないかと誘っている。
何処の隊も、腕利きが欲しいらしい。
飲みすぎたので、寝る。
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