平隊士の日々 元治元年皐月十九
元治元年皐月十九
寝ていたら、多くの隊士が起きて、唸っている。
どうも腹痛らしい。
聞くと自分も少し腹が痛い。
吐いている隊士もいる。
井上組長に森が、南部先生に来てもらいたいと言いに行った。
南部先生が来て、診療。
また、食あたりらしい、
田螺もきのこも食べていないのに、困ったものだ。
朝食、梅干し、ご飯、味噌汁、玉子。
半分も隊士がいない。
味噌汁と梅干だけ食べれた。
なぜか、森は元気だ。
立てる者だけが、中庭に集まる。
土方副長と山南総長が、隊士を見て御前は休めと言っている。
残った隊士、約三十名で本日の隊務割。
十名程度に三つに分けて、僕と森は「い組」になった。
い組は井上組長と沖田組長の組で、
奥沢栄助伍長の下に、馬越三郎、鈎木伝三郎、中村金吾、伊木八郎、
粂部正親伍長の下に、松崎静馬、森鷹之助、村上万次郎、服部幸二郎、
とのことだ。
本日の隊務割。
午前は南巡察、午後は東巡察、夜は西巡察。
井上組長が伍長に順番を決めるように言っている。
今日は僕が死番になった。
南巡察は特に何もなく、屯所に戻り、
昼食、ご飯、味噌汁、漬物、梅干し。
配膳に前川邸の人がいる、
隊士が少ないので、前川邸の人にも手伝ってもらったらしい。
午後は東巡察。
隊士が少ないので、浪士にあったらいやだなぁ。
一条通りを東大路通りに曲がったところで、浪士の集団と鉢合わせ。
井上組長が誰何しようと寄ったところ、刀を抜いて斬りかかって来る。
沖田組長が井上組長のわきを走り抜け、浪士二人を斬る。
井上組長も浪士一人を斬ったところで、浪士たちが逃げ始める。
粂部伍長が捕縛しろと、我々は浪士を捕縛に回る。
奥沢伍長の組が逃げた浪士を追っかけて行った。
沖田組長と井上組長が戻ってきて、浪士の状態を聞いた。
伍長が、三人とも軽傷で、番小屋には連絡しましたと、
浪士を連れて屯所に戻り、
夕食、玉子粥、だし汁、梅干し。
夜は西巡察。
人数が少ないので、提灯を全員で持って、旗は置いて行く。
特に何もなく、屯所に戻り。
森と少し飲んで寝る。