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ただ、食べる喜び

朝。雨上がりの公園の噴水に鴨がぷかぷか浮かんでいました。よく見ると、一生懸命食べ物を探しているようでした。

思えば、街で見かける動物たちはいつも何か食べるものを探しているように見えます。人間もはるか昔はきっと一日中食べ物のことを考えて、どこにあるのかと探していたのでしょうか。
「今日はこんなものを手に入れたよ」「あっちの川の向こうで、とっても甘い木の実を見つけたんだ」「昨日食べたあれ、すごく美味しかったなぁ」なんて感じだったのでしょうか。

基本的には食べるものに困らない今の社会を作り上げた人間は、やっぱりすごいです。それによって救われた命もたくさんあったのですから。
でもこれは贅沢な話ですが、そういう近代社会のなかでは、はるか昔の先祖の人たちが、そりゃまあ夢中に「食べる」ことの喜びを、あの手この手、あの言葉この言い回しで楽しんだ風景が遠ざかっていくように感じています。

一緒に限界まで空腹になって、そのあとごはんを楽しむ「空腹ナイト」なるものが開催されても字面で見ると怖くて参加しませんが笑、実は似たような状況を全員が合意の上で楽しんでいるのが「キャンプ」なのかなと思いました。

腹ペコでみんなでテントを立てたあとに、炭火で肉を焼く喜び。

「キャンプ」で味わう刹那の向こうからは、太古の人々の豪快で愉快な笑い声が聞こえてくるようで。そんなピュアな「食べる」喜びをいかに今日も感じられるかを考えます。

ただ、馬鹿みたいに明日のご飯を楽しめたらどんなに素敵でしょう。

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