地域に感謝の花を咲かせたい~人への想いを虹色カーネーションに託して~
地域ライター部CHIMORI 青田 さとみ
母の日。皆さんは様々な想いを一本のカーネーションに託して贈る。
そのカーネーションの中に、色鮮やかな虹色カーネーションがあるのをご存知ですか?
白いカーネーションを4色の液剤で色付けすると、カラフルで、まるで虹のよう。
名取市小塚原地区の1100坪の農地で、カーネーションを栽培している菅井園芸の代表の菅井啓貴(ひろき)さんは、虹色カーネーションに色付けするワークショップの開催を通じて、虹色カーネーションを広める活動をしています。
その菅井さんに取材に伺ったのは小雨の降る6月の上旬、この日の作業はカーネーションの改植の真最中でしたが、自身のこだわるカーネーションの育て方について教えてくれました。
「大事にしているのは、花に水を与えるタイミングを見定めて、隙間なく水を吸わせ、如何に日持ちさせるかという事です。虹色カーネーションの活動の為に、今年は白いカーネーションの定植数を増やしたんですよ。」と丁寧に話してくれました。
~結び付けたい。地域の福祉事業所の就労支援~
菅井さんが虹色カーネーションの活動を始めたのは、2022年の初春から。きっかけは虹色カーネーションの事を知り、その作業工程を工夫すれば、地域の福祉事業所の就労支援に結びつけられるのではないか、との想いを持ったことだそうです。まだ始めたばかりですが、課題は白いカーネーションに色付けするのにも時間調整が必要なことで、試行錯誤しながら活動していますと笑顔で答えてくれました。
実際にワークショップに参加した方は、白いカーネーションが少しずつカラフルに色付付くのを見て笑顔になり、最後にその鮮やかな虹色に喜ばれるそうです。
日持ちも時期によりますが、一ヶ月近く保っていたとのことで、最後まで楽しめたようです。
~感謝の心を花に託して~
そして菅井さんは、自身の母校でもある、閖上小学校と閖上中学校の卒業式で、卒業生にと、白いカーネーションを送る活動も2022年の3月から始めています。
きっと、地元産の白いカーネーションが、子供たちの思い出の一つとして残ったでしょう。
ちなみに、現在は「閖上小中学校」と一貫校になっています。
「人と花は同じ」。
手間を惜しまずに花を育て、花を通して感謝の心を伝える菅井さんならではの言葉です。
インタビューの後、黙々と作業を進めるその姿から、花に対する愛情が語らずとも感じられ、そんな飾らない言葉が、今までは購入する側だけだった私の心に、生産者としての物語を教えてくれました。これからもカーネーションを大事な人に送りたい。感謝の言葉を添えて。
虹色カーネーションの花言葉は「感謝」。
「母の日」だけでなく、あなたの感謝したい人は誰ですか?
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