漫画反省会
年末のしんどい時期、みなさまどうお過ごしでしょうか。chimomomoです。わたしは年賀状も大掃除も済んでないのに、すっかりもぬけの殻です。もぬけって何?
殻になるまで作業した漫画をやっと公開できました! よかったら読んでみてください。
今日の日記はこちらの漫画の反省会です。
良かったこと
[1] 締切を守れた
「異世界の年末年始イベントってどんなだろうな」「異文化って楽しいから出したいな」「読んでくださった方にも一年のご挨拶的な…そんなメッセージを出せる漫画にしたいな」からスタートした漫画なので、絶対年末には出したかった。
しかし異世界アイテムを「ツリー」にしてしまったものだから、「あれ?これ24日に出さないと成立しなくね?」と、締切がじわっと早まったのは思わぬ誤算。軽率〜〜〜。
16Pの話で、一日に1Pしか進まない実力で、また取り掛かりが遅かったのでまあ大変。困ってしまってニャンニャン・ニャニャン! 時間を捻出するのにめちゃくちゃ苦労した。
年末のクソ忙し繁忙期に、漫画を描くことの難しさよ! 思ったよりもずっとしんどい。週末にお誘いいただくたびに「わたしは本当に大丈夫か!?」ってめっちゃ渋ってしまうし。何かと何かの両立って、何だって難しいね。
[2] SNSの距離感が変わった
途中、マジで時間がなくなって、SNSの通知を切った。
これは英断だったと拍手を送りたい。時間を捻出するためにやってみたことだけど、本当に時間の流れ方が変わった。今まで思った以上にSNSに時間を喰われていたんだって分かった。
当たり前にSNSに接してしまっているけれど、SNSは社会を覗き込む小窓みたいなもんなんだよなあ。人との会話とか、誰かの喧嘩とが聞こえる雑踏を喫茶店から覗き込んで、面白さを探してるみたいな感じだよね。それを一日に何回も、ついつい何時間も…。そりゃ疲れるわなあ。インドアだけど、ロケじゃんそれ。
コミュニケーションは楽しいからやめるつもりは一切ないけど、今後も通知は切って、なるべく自分のタイミングで、自分がやろうと思ったときに覗こうと思った。
[3]一ヶ月ちょいで新作が出せた
わたしは超筆が遅いタイプなんです。なのに、ちゃんと次の話が出た。ポン・ポンと。快挙。マジで、これは。
「漫画を描くことが続いてる」っていうのが嬉しい。妙な感想なんだけど、まだまだわたしにとって漫画を描くことが「特別」だから、こういう続いてるってことが嬉しいし、喜んでいきたい。次も出せるとイイネ!
[4]資料を集める時間を設けられた
「勉強不足!」を思い知っていたので、資料をいっぱい集める時間を一番最初に設けた。もちろん「遅筆!!」っていうのも死ぬほど思い知っているので、次々作業をしたい気持ちが先に立って、「こんなことをしてる場合じゃない!」っていう焦りをしっかり捕まえて間接決めて殺す必要がある。とても辛い。本当に辛い。
焦りって、自分にとって燃料でもあるんだけど、めちゃくちゃ優先順位の高い動機というか…めっちゃ自分を操ってくるヤツなんです。上位の存在。強いんだ、自分にとっては。
こいつをねじ伏せて、「いやいやいやこれが逆に後々、スーパーターボを効かせてくるんですよ旦那!! 逆転勝利への伏線ですって!!! 信じてくだせえ!!!」って説き伏せるのがね、骨です。
焦りの度合いによっては次回も同じように勝てるかどうかわからん。次も勝ちたい。
悪かったこと
[1]目算が甘かった
自分は作品へのハードルが低いんだと思う。漫画が好きであるがゆえに「どんな漫画でも何からのカロリーがある!!!」って思いが強い。漫画って描くのが大変な総合芸術だから、そもそも存在するだけで尊いと思ってるし、全部を読みまくりたいと思ってる。
だから、自分の作品に対してもハードルが甘いんだろうな〜。
「クリスマス時期にクリスマスっぽい話? いいですね!」と、そもそもの企画の段階のハードルが低かったと思う。
でも、読む側は違う。クリスマスの時期のクリスマスっぽい話なんて掃いて捨てるほどあるし、当日は食傷気味くらい溢れてる。その上で「じゃあどういうのが最高!?」の視点がなかったわ。反省。
絵が下手なのに読んでもらう…っていうのはかなり読者さまに負荷を強いてるのに! せめて展開や話だけでも最高に最高と思えるものをご提示しないと! んもー!
いや、自分の話は「ええやーんええやーん!」と思って出してるけれど。今回のはなしもちゃんと好き。
でもきっと、「まじで自分天才では!?!?!?!?!?! 最高ですやーん!!!!!」と思えるくらいのシナリオとか、納得感がないと、人に読んでもらえたり、心を動かしたり…の、ハードルを越えられないんだなって分かってきた。
遅いですね、はい。
付加価値って言葉が頭をぐるぐるしている。よーし。考えていこうね。
ネーム、企画、めっちゃ大事。もっともっと芯から強化しなきゃなって思った。
とはいえ、ハードルを高くしすぎて次の作品を出せなくなっちゃう状況にはなくたくない。うーーん、むずかしいなーーー。好きをもっとこう…煮詰めて…煮凝りをこう…綺麗なお皿に…うーーん。
[2]途中で焦りが勝って練習を投げた
12月に掲げた目標を途中で投げてしまった。
過去の釘刺しを振り払って、原稿を終わらせる方を優先させてしまった。気持ちがカカっちゃったよ…。これはどうやって防いでいけばいいのかな。焦りが暴れ馬すぎる。どなたか焦り馬の調教法、ご存じない?
[3]描き始めた段階で、疲れていた
これはどうやって越えたらいい課題なのかわからないのだけれど…。
二話を描き終わった段階から三話のことをすぐ考えていくというスケジュールで、気持ちがもう疲れちゃっていた。
「前の作品よりも良い物を!」を目標に掲げていたくせに、三話目が二話を超えるビジョンが見えないまま、「締切までに次を作る」ってことを優先させて、次々工程を進めていた気がする…ちょっとだけど…あるような気がしている。認めたくないけど…。
遅筆なのだから、どんどん次をつくらなきゃ!ってそうしたんだけど、どうやら違うな。ぜったい切り替えをしたほうがいいな。
ちゃんと、休もうな。
私は休むぞ。
総評
二話目を描き終わったとき、「デッサンの歪みを認めるのはつらいから、それを無理やり『間違ってないよ』と納得させてる自分がいる」という話を聞いて、「めっちゃそう!!」と思った。…から、なるべく絵の歪みは、うちなる声を聞いて治すように極力つとめたつもりです。
けど、作話のクオリティに関しては「歪みを認めませんよ」の状態になっていたのかもしれないなあって…。
同じあらすじの話を作るにしても、ひょっとしたらもっと違う見せ方があったのかも・削れるエピソードがあったかもしれない。
前作を超える!という目標を掲げていたくせに「越えてなくない?」といううちなる声、無視したかもしれないなあ…。
自分の歪みや落ち度を認めるのってしんどい。でもうちなる声は大抵正しい。こいつの声、もっと聞いていこうと思いました。いやーきつい。でもたのしい。これだから漫画ってやつはよお。
最後に。
いつも至らぬ漫画を読んでくださる、漫画を愛するみなさま。ありがとうございます。これからもこれに懲りず、鈍足で、また至らぬ何かを吟じていこうと思います。休んだり遊んだりしながら。
新作ができたら、また読んでいただけたらうれしいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
(終わり)