漫画反省会
こんにちはchimomomoです。先日、二ヶ月かかってヒーヒー仕上げた漫画を公開しました。作画に時間がかかりすぎてしまい反省点が原稿を追い越して、後半は「もうだめだ」「☆にてえ」など呪詛という呪詛を口から垂れこぼしていた私の漫画の反省点を備忘録として残しておこうと思います。
描いた漫画の話をしますので、ネタバレ的にもこちらの漫画を読んでいただけると話がスムーズです。24P、3分もかからず読める分量なので、ぜひ見てやってください。2ヶ月かかって読むのは3分未満なのは超お得です!(?)
良かったこと
(1)背景と人物を同時進行で描いたこと
日記を普段から読んでくださっている方からしたら「おめえ何回言うんだよ」なんですが、背景がすごぶる苦手。人物と背景を分けて描いたら、背景を描く作業で意欲が死んで、全体的にとんでもないクオリティのムラができてしまったのでした。
今回はその反省を踏まえ、人物と背景を同時進行。カレーとライスを同時にスプーンに乗せることでライスもちゃんと完食できるみたいな、そんな気持ちになりました。
途中、配分を間違えてルーだけ先に食べちゃったページとかあって、ライスお残り状態でキーー!!みたいなこともあったけど、ずっと24P分ライスを延々食べる苦行よりかずっとマシでした。自分にあった方法が見つかってよかったなあと心から思えました。
(2)同時進行で絵の勉強を続けられたこと
漫画を描き始めるとどうしても「今日中にこれやらなきゃ!」「時間もないのに!」みたいに焦ってしまい、漫画を描くことしか出来なくなってしまうんですが、今回は絵の練習(人物模写)を絶対に原稿前に20分やる!と決めてそれを完遂できました。
特効薬みたいな効果はないんだけど、「迷い」で描いたり消したりしている時間は減ったような気がします。
「腕曲げてるからこの肉がモリってなるんだよな〜」とか「膝は結構縦長なんだよな〜」とか、ちょっとだけ気をつけられるポイントが増えて、人物のペン入れがすこし楽になったような……。
やっぱり勉強って大事だな。
(3)描きたいところが描けたこと
描きたいシーンは2つあって、一つ目は「情けない姿で尾行するあるじ」、二つ目は「二階建て秘密基地のロマン」でした。
作中この御仁、カッコつけてるシーンが多い男性キャラなんですが、絶対運動できないよな…と前から思っておりまして…。
24Pで起承転結をつけなきゃいけない縛りの中、この要素は不要なのですが(普通に生身で尾行すりゃいいので)でもやっぱり入れてよかったなと思いました。セクシー大根っていう存在も好き。
あと私の創作の根っこには「こういうのって良くない!?!?」っていうのが強くあるらしく……。今回は「秘密基地が木の上にあったら最高じゃない!?」を描けて本当に心から満足です。成仏しました。
ツリーハウスって憧れなんですよ……。秘密基地すら自分の中で上位の建造物なのに、木の上とかさあ…… 高いこところにある秘密基地…… みんな好きだよね?? ねえ? そうだと言ってよ……(にじり寄り)という強い気持ちで描きました。は〜描いてて楽しかった!
反省点
(1)仕上がるのが遅えわ
ネームまでは良かったんです。着想1日からのネーム作業は一週間以内で出来たし、下書き兼3Dモデル配置も多分人並みのスピードで進んだと思います。
そっからよ! ペン持ってからの遅さが遅え〜〜〜〜〜!! 1ヶ月半はネチネチ描いてました。
描いてる最中は「人物と背景を同時進行してるんだからシャーナイ」と自分を慰めていたけれど、仕上がり作業時間を鑑みるに分業制と対して変わらん。かかる時間は一緒くらい。
どうにかして見栄えはするけど時短で、伝えたい映像は劣化しない絵を模索しなきゃいけないなと思いました。このあたりは週刊漫画家さんが血尿と等価交換で確立させたノウハウがあると思うので、それを研究しようかな。
多分ベタがポイントな気がする……。ベタと線を……見まくるぞ!
(2)深みのないハピエンにカロリーは少ないという学び
前回の話が「あるじさんの長年の想いネチネチぶちまけエンド」だったため、湿気がムワッと漂ってしまったので、今回は脳の回転ゼロでも楽しめるカラッと楽しい話にしよ!とスタートしました。好きな題材、好きな展開、わたしにとっては結構好きな話が出来たと思います。
でもでも。こういう予定調和に見えるストーリーって、さほど求められてないのかなと分かりました。
そういえば、3話目の反省でも似たようなこと言ってたな……。
予定調和のハピエンに「カロリーがない」とは言わないです。だって私にはちゃんと美味しいから。でもそれだけじゃ、神の視点で漫画を読んでいる読者さまにとってはもの足りない。それが3話でわかりました。
三話の反省でわかったこと。ハピエンという結果を得た作中のキャラに、「心が揺れたり前向きになったり変化するシーン」が必要だったんだなって。これは作品の中の人の物語だからね。たしかキャラの感情を描かないと!と強く思った記憶。
今回はそれも踏まえて、キャラの気持ちもちゃんと描いたつもり……。なんだけど、やっぱりそれも、まだ足りなかったのかも。
こうなってくるとフリオチにもっとページを割けばよかったなって思えてくる。「わくわくの秘密基地」にフォーカスをあてるのではなくて、「あるじの気持ち」の方を主題にするべきだったのかも。ひえ〜〜難しい!
セクシー大根の暴走も、秘密基地も、フリオチも全部しっかりきわ立たせて描く!!
しかもメイン構成は「キャラの感情」で!
そういう意味では確かに前話のラストのほうが「湿気」ではあるけれど、感情がだだもれで、カロリーがあるラストだったんだなって。
そうだ人間の感情ってそれだけで重てえんだ。喜怒哀楽、全部にカロリーはちゃんとある。でもストーリーの流れでうっかり出た感情をそのまま描いた漫画と、感情を描くぞと狙った構成の漫画では、伝わるカロリー総量は違うのかもしれない。
ひえ……書いててすげー難しいこと言ってるなってわかってきた。でもますます国語力&ネーム力が大事なんだなって、再確認。
次はなるべく感情をバーンと出せるような話に出来たらいいな。これはもう祈るしかないかも。
というわけでいっぱい無い頭をしぼって考えた5話目です。反省もいっぱいだけど、好きも間違いなく直球で詰め込んだ話です。よかったら読んであげてみてください。
さいごに宣伝になってしまってゴメンネ。でもせっかくだからみてほしくって。色々反省も思うことはあるけれど、つま先立ちになるくらいがんばりました! おわり! 次だ次! 次もがんばろう!
(終わり)