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真逆な人生を歩む幼馴染に送るシュナウザー

出来ない自分を改善したくて向き合うのはいいが、そのせいで毎日大声で泣いていたら声がほとんど出なくなってしまったことには驚きだ。
喉は痛くないので会話したいんだけど、発声が出来ずストレスで、文字を打ち込むしかない状態です。

幼馴染とは特に理由はないが最近になるまで会いもせず、一切連絡を取っておらずという状況だった。

彼とは私が小学校1年生の時に住んでいたボロい借家の取り壊しが決まり、引っ越した先で出会った。歳は三つ下なのでその時彼は3歳だった。
その時から顔も性格も変わらないし、久々に会っても変わったなぁとか大きくなったなぁという感慨も何もない。

隣の家なのでよくお互いの家を行ったり来たりしてかなりの時間を一緒に過ごし、窓越しに両家の親の怒鳴り声などを嗜んでいたが、私が高校が忙しくなってからはほとんど会わなかった。その後は私は地元を離れ東京で一人暮らしをしていたし、彼も浪人時代は東京にいた?ような気がするが、その際も一度も会うことはなかった。その後は関西の大学へ行ったようだ。私の実家自体も引っ越してしまったので、帰省で会うこともなかった。確か父が亡くなった時に一回くらい顔出してくれたような気がする?程度だ。

性格は繊細風味で感情的な私とは正反対で、適当に冷めており、人に合わせるのもうまく、めちゃくちゃ楽観的で、頭の出来も良かったので市内で一番頭の良い高校に行った。同じ習い事を始めると、その差はすぐに天と地ほど開いた。私が挫折することは大体できた。私の知る限り同性よりも異性の友達が多く、学生時代はだいたい知らない女と下校しており、そして近所の豪邸はだいたい友達みたいな奴だった。要素だけ見るとイヤミな感じもするが、基本的になんでもどうでも良さそうにヘラヘラしている彼の性格のおかげか、兄弟同然のように育った割には、一度も嫉妬に駆られるようなことはなかった。喧嘩も小学生の頃一度だけあった気がするが、お互いに譲れないことで喧嘩したというより、とても些細なことだったのか何があったか全く覚えていない。

正反対な幼馴染は昔からアウトドア派で、数年前には合同キャンプの充電ゾーンで、幼馴染のものも含めその一帯のiPhoneが根こそぎ盗まれた話をされたが、まず大量の知らない人とキャンプするという時点で、私には戦慄案件だ。(そもそも合同キャンプに行かなければiPhone盗まれなかったわけで!)
iPhoneの所在地がみるみる動いていくのを見てウケていた幼馴染は本当に楽観的なやつだ。

最近今更になって桐島部活やめるってよを初めて見たのだが(松岡茉優最高!!!)それで正反対だったなとふと思い出したことが、生徒会選挙とかに出るような人だったなと思い出した。当然私は学校を代表する人間になろうと考えたことすらも一度もない。出馬の選挙ポスターは描いたが。

そんな幼馴染と3年ほど前からまた連絡を取り始めるようになった。きっかけは彼のバイク事故のお見舞いだ。ダンプとぶつかって数日間昏睡状態になったとのことで親づてに連絡があった。
バイクとダンプなんてハムスターとギャラドスくらいの差がありすぎて信じられない状況だったが、それでほぼ幼なじみのバイク側の過失という結果になった時は、ンなわけ!?と信じられない気持ちだった。
後から聞いてみれば愛車をとても大事にしていたし、付属品も高いものばかりだったので(大学生にはかなり高すぎるものだった)、本人も信じられないらしい。

昏睡状態から目覚めた時は、わけもわからず英語を喋っていたらしい。頭も腕もパックリいき、リハビリにもかなりの時間がかかっていたが、事故当時の記憶がないので、またバイクに乗りたいと言ってる彼は本当に楽観的な奴だ。入院中は6人の相部屋で、人前での脱糞癖のあるおじさんに対してキレていた。
当時はちょうど大学卒業の時期だったため、腕がこれじゃあ卒論が書けないと言っていたが、気がつくと大手自動車メーカーに就職し、LINEのアイコンは愛車の良〜い車に変わっていた。

連絡を取り始めたと言っても、一年に一回取っていたら良い方で、普段はほとんどやり取りはない。親同士は親友なので、よく会っているし、幼馴染も私の母親との方が仲がいい。高校の時は部活で私が家にほとんどいなかったので知らなかったが、反抗期真っ盛りだったので家に帰らず私の実家で母におやつを作ってもらったり、休んでいたりしたようだ。今もなんの用があるのか知らんが、お互い動画を送りあったりLINEもよくしているみたいだ。

なので基本幼馴染の新しい情報は母伝に聞くことばかりだ。
母の情報によると、ミニマリストになり(本人は自覚なし)、近所の上司の家で家庭菜園を一緒にやり、アヒージョやらの小洒落た手料理を毎日作り、親からコーヒーミルのプレゼントをされれば、帰省のたびに持ってきてみんなにコーヒーを振る舞うらしい。なんだか想像しうる"ゆとりある質の高い生活"をしていることが窺えた。私は今ミニマリストに憧れていて、毎日21時から朝の4時までミニマリストの動画を垂れ流し、だけど全然ものが減らないという悲しい状況であるのに・・・やはり全てが正反対だ。

Netflixのミニマリストの動画(音声は英語しかない)で、やたらと何回も”community”というワードが出てきたのが印象的だったが、まさにそれを無自覚のまま地でやっている幼馴染はなんというか・・・努力をしてなくても素肌が綺麗な人みたいだ・・・。(伝われ)

そんな幼馴染に何をプレゼントしたかということだが、異常にときめくものを見つけたので、無性に送りたいな(共有したいな)と思ったのだ。幼馴染の家で小学生の頃から飼っていたかわいいシュナウザーがいたのだが、少し前に亡くなってしまい、良いシュナウザーグッズを見つけるとたまに幼馴染に写真を送る(年に一回の連絡はこれ)のだが、今回信じられない可愛いシュナウザーグッズを発見してしまったのだ。

それがこの写真のものなのだが・・・。

キーケースにつけたらしい

すっぽりと手に収まって、ふわふわの毛並みで、異常に愛くるしく感じてしまって、お店で手から離せなくなってしまったのだ。
あまりの可愛さに自分の分も欲しい・・・!という気持ちになったのだが、もちろんシュナウザーのことは私も可愛がって、夏の絵画コンクールの絵にも描いたりしたし、仕事の壁画にも描いたりしたが、シュナウザーとの接続は、どう考えても幼馴染の方があるので、そしてお揃いで一緒に持つのがなんか気持ち悪いなと思ったので、幼馴染の分だけ買って店を出た。

買った時は、このかわいい生物を一刻も早く共有したい!という軽やかな気持ちだったはずなのだが、郵便局に行くのが面倒すぎて、気がつくと数週間が経過していた。送ったら連絡すると言ったきりそれもすっかり忘れており、数日前に出張から帰ってきたら不在票入ってたと連絡があり、また相手の都合を一切考えていない私の悪しき部分が露呈した。

それが今日届いたらしい。第一声が「なんなこれ!!!!めためたかわええやないか!!!」だったので恐らくサプライズは成功だろう。
開けるところから何度も写真を送ってきたり、勢い任せの誤字混じりに怒涛の喜びのメッセージをくれたので気に入ってもらえたのかなと思う。それでなんとなくこんな文章を書いていたが、これを書きながら幼馴染がミニマリストになったことを思い出して、あれ僕また何かやっちゃいました・・・?(最強系主人公)という気分である。

何にせよなんでもない日に送るプレゼントは楽しいなー。


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