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デザインの質を決めるのは時間じゃないという話
広告デザイン会社に入社したばかりだと、「時間をかけるほど良いデザインができる」と思いがちじゃないでしょうか?実は、それって必ずしも正しいわけではありません。今回は、時間とデザインの質の関係、そしてデザイナーとして大事にしたいポイントについてお話しします。
1. 時間をかければ良いデザインができる、という思い込み
デザインのクオリティって、かけた時間だけで決まるものじゃないんです。何時間もかけて完成させたデザインがクライアントに響かず、逆に短時間で作ったものが「これだ!」と気に入られることもあります。
私自身、若い頃は「時間をかければ良いものができるはず!」って信じていました。でも、経験を重ねる中で、どんなに時間をかけてもクライアントに納得してもらえないことがある一方で、短時間で作ったシンプルなデザインがスッと採用されることもあったんです。
2. 作り手よがりにならないために
デザインは自己満足ではなく、クライアントやその先のターゲットのために作るものです。ついつい「自分がカッコいいと思うから」とか「これが正解だ!」と自信満々で提案したくなることもあると思います。でも、それがクライアントの意向に合わなければ、どんなに良いデザインでも意味がありません。
私も昔は「これが一番だ!」と押し通そうとしたことが何度かありました。でも、そのたびにクライアントのフィードバックを受けて気づかされたのが、「デザインは相手のためにある」ってこと。自分の好みだけで突っ走らないようにするのが大事です。
3. クライアントの意向を理解するためのコツ
新人デザイナーのうちは、クライアントの意向をうまく汲み取れなくて戸惑うことも多いと思います。でも、ちょっとした工夫でそれがスムーズになることもあります。
しっかり話を聞く
クライアントが何を求めているのか、丁寧にヒアリングするのが基本です。曖昧な表現に対しては「具体的にはどんなイメージですか?」と深掘りしてみましょう。クライアントの業界を知る
クライアントの背景や業界についてリサーチするだけで、「この人はちゃんと理解してる」と信頼感を持ってもらえます。ちょっとした気遣いが大切です。フィードバックを歓迎する
提案したものに対して修正依頼が来ても、落ち込む必要はありません。それがより良いデザインを作るヒントになることも多いんです。
4. 時間をかけるべきところ、かけすぎないところ
デザインの工程には、「ここは時間をかけるべき」という部分と、「ほどほどでOK」という部分があります。これを見極められるようになると、無駄が減ります。
リサーチやコンセプト作り
デザインの土台になる部分にはしっかり時間をかけましょう。ここを適当に済ませると、後々の修正が大変です。細かい部分の仕上げ
時間が限られている中で、全ての細部にこだわるのは難しいですよね。優先順位をつけて、重要な部分に集中するのがポイントです。
5. 自分の成長を信じて
最初のうちは、どうしても「クライアントが何を求めているのかわからない」と感じることがあるかもしれません。でもそれは誰もが通る道。経験を積むうちに、クライアントの意向をスムーズに汲み取り、短い時間でも質の高いデザインを生み出せるようになります。
若い頃の私も、何度も迷い、失敗しながら少しずつ成長してきました。大事なのは、「自分が作りたいもの」だけを追い求めず、「相手のために何を作れるか」を考え続けることです。
6. まとめ
デザインは、時間をかければ良くなるというものではありません。それよりも、クライアントの意向をしっかりと理解し、その期待に応えるデザインを効率よく作ることが大切です。
迷ったときは、「このデザインはクライアントのためになっているか?」と問いかけてみてください。そして、少しずつ自分のスキルを磨いて、プロフェッショナルなデザイナーを目指していきましょう。