京都西山・名のある桜めぐり
今回は、練習ではなく遠足なので好き放題に座っていいし、膝に手をつきまくっていいんだYO!(走っているのは単なる移動手段ですから)
先日の桜見物ロング走は、お天気がいまいちだったので、まだ桜が残っているうちになんかしらリベンジしたいなぁ……だが、再度、京都中心部(いわゆる洛中)に突っ込むのは御免被りたい。絶対に人がすんごい。
と思案していたところ、そういえば、「桜か紅葉シーズンに西山近辺のお寺巡りをしたい」ってマイ・やりたいことリストに書いてたなぁ、ということを思い出し、そちらを攻めることにいたしました……。いや、攻めるんじゃない、あくまで遠足ね、遠足。(膝に手をつきまくっていいやつね)
ということで、おうちから長岡天満宮を経由して、一路、西山方面へ。
グーグルマップさんの最短距離だと16km程度なのですが、勝竜寺やらパン屋さんに寄り道したり、ちょいと道に迷ったりしたので、なぜか21kmの行程となりました。(おかしいな……まったくもって"一路"じゃないな……)
大原野神社(千眼桜)
なんやかんやで西山エリア到着後、最初に訪れたのは、大原野神社。
こちらの「幻の千眼桜」が、今回のぽくぽく遠足の最大の目的だったのです。
何が「幻」かというと、その開花時期の短さ。
なんでも、満開の期間が3日間とめちゃくちゃ短く、運よく満開を見ることができたら、千の願いが叶うともいわれているそうで……。
確かに、曜日によってはどう考えても週末と合致しなくて見れないこともそこそこあるだろうし、と週半ばからどきどきしながらtwitterで大原野神社をフォローして開花状況をおっかけ(ちなみに、今年は3/29(水)に満開を迎えました)、例年よりも花のもちがよい、とのことで土曜日の朝10時頃に見られた幻の桜のお姿がこちらです。ありがたや~。
千の願いが叶うそうですが、どうがんばっても千個も願いがひねり出せないので、この写真を見てくれた方々もそれぞれ10個ずつくらい願いが叶いますように!(ご利益小分けシステム)
あまりにも眼福なので、ひととおり周囲をうろうろした後は、千眼桜を眺めながら朝ごパンを食べる、という贅沢きわまりない所業にも及ぶ。
このために、朝ごはん抜きでお腹ぐーぐー鳴ってたけどここまで我慢してパンを背負ってきたんだYO!
この絶妙な満開状況をばっちり目撃してしまったので、(今現在こんなにがっつり咲いてるのに、この後すぐに散ってしまうとか、ほんまに……???)と疑念を抱いて、帰宅後も引き続きtwitterでねちっこくおっかけていたのですが、翌日の午前中(写真の時点から24時間後)にはもはや3~4分咲程度にハゲ散らか散ってしまって葉ばかりが目立つ状態になってしまっている実況を目にして、驚愕すると同時に、やはり幻には幻と言われる所以があったのだなぁ、と納得いたしました。
いや、本当に滑り込みで見れてよかった。
正法寺(石庭の枝垂れ桜)
続きましては、冒頭の入り口の目の前にある正法寺へ。
こちらは境内に安置されている仁王像や塔を彩るしだれ桜、八重桜、山桜、と様々な種類の桜を鑑賞できるのですが、やはり見どころはといえば見事な一本の枝垂れ桜が抜群の存在感を放つ「鳥獣の石庭」。
石庭には、さまざまな動物を模した岩が並べられていて、いちいち楽しい。
またこのお庭を眺める座敷がぽかぽか陽当り良好で、本当に気持ちよくてねぇ……人も少ないので足をのばしてしばし(というかかなり)のんびりしてしまいました。
あっという間に時間が溶けていくわぁ……(ああ今日は遠足と定義しておいてつくづくよかったよ)
勝持寺(西行桜)
さらに、大原野神社&正法寺から少し道を上った先にある勝持寺へ。
ここまではすべて(ごく一般的な)徒歩圏内にあります。歩いて5分とかからない距離。
勝持寺で有名なのは「西行桜」。
平安時代の歌人・西行がこちらで出家し、植えたと伝わる桜だそうですが、実際に訪れてみると、とても背の高い桜で驚きました。
能の演目にもなっている桜の精、はこの桜の精なのかなぁ。なるほどなぁ、と納得できる凛とした佇まいの桜でした。
その他にも、勝持寺は「花の寺」と言われるだけあって、境内は様々な桜であふれんばかりの花盛り。
圧倒的な桜の物量見てこれ。
本来は、各種類の桜の見ごろはもう少しばらけるそうですが、今年はわりと一気に全種類が(早めに)咲いたそうで、なんとも贅沢な空間でした。
十輪寺(業平桜)
最後は2kmほど離れた十輪寺へ。少し時期が遅いのは承知の上ながら、最後の1本の「名のある桜」である「業平桜(なりひらざくら)」を見ておきたかったのです。
西行法師といい、この西山地区を終の棲家とする風流人が多いのはなぜなのかねぇ……ほどよく都(京都)に近く、かつ北山や東山ほど寒くない(のか?知らんけど)のがよかったんですかねぇ……。
庭の名前は「三方普感の庭」と呼ばれているそうで、立って見てよし、座って見てよし、寝転んで見てよし、とのことだったので、周囲に人がいないことをきょろきょろ確認の上(一応なんとなく)、寝っ転がって見てみると、散り際とはいいながらも、視界いっぱいに広がる桜の光景は圧巻でした(ちなみに、仰向けになって部屋の縁から頭を突き出す感じで見ていたのですが、本来は横にねそべって見るようです……本能にまかせて、妙な寝転がり方をしてしまったわ)
ところで、「塩竈跡」ってなんでこんな山奥でわざわざで海水から塩を精製してたんだよ……??と謎に思って後から調べたら、業平のかつての想い人(藤原高子)が大原野神社に参詣する際に、紫の煙を立ちのぼらせて想いを彼女に送ったとのことで……いやなんとも風流きわまりないことですな!(蒸留法による精製とか口走って悪かったよ)
桜の時期はたくさんのソメイヨシノに気を取られがちですが、今回、「名のある桜」巡りをしてみて、一本一本、見ごたえのある桜を堪能するのもまたよいものだなぁと思いました。
数キロ圏内にこれだけの名所が密集してるって、控えめに言ってもガチすごいよね。
その他の寄り道たち
んでもって、最終的にこまで来たらもう京都(洛中)も近いような気がして、結局そこまで走ることに……(結果、まぁまぁ遠かったYO!)(そりゃそうだYO!)
その道中で出くわした、2年くらい前から行きたかった向日神社近くのクロワッサン専門店でおやつ休憩。
例によって汗だくばっちいマンなので、店内飲食は遠慮して外で食べようとしていたのですが、お店の方が超親切で、店内でどうぞやら、お手拭きいりませんかやら、大変気を遣ってくださってものすごくありがたかったです(気候もいいし、散らかしまくりそうなので外で食べましたが)
効率的なルート探索をしながら京都中心部に入り(川を渡るタイミングがややむずい)、銭湯でひとっ風呂浴びる前に最後の給水は怠らない。
うふうふ。
観光しまくり、休憩しまくりのよき遠足でございました。
8時間くらいうろうろしてたよ(総走行距離は39km)。暇だね。
おおまかな土地勘ができたので、次はぜひ紅葉シーズンにも再訪したいと企んでいます。
(その際は、樫田経由でポンポン山をぐるっと回って逢坂峠に出る高低差ありまくりルートもいいかもしれない。きたわる)