夢見る未来〔1ヶ月23日〕

*過去の自分のブログの転載です。

🍀🍀🍀

<2011/12/26 mon>

生後53日、術後17日目。

いつも通り実家に息子を預けて病院へ向かう。

母ちゃんは必ず帰ってくるとわかったからか、あまりごねなくなって助かる。

13時半頃、病室に到着。

ミルク後だったからか、ご機嫌で待っててくれた娘ちゃん。

う~ん、今日も可愛いぜ。

昨日に比べると肌荒れが少しよくなっていた。

なかなか粘着物が取りきれないのがネック。

ご機嫌だと思っていたが、次第にグズグズに。

どうやらおしゃぶりが気に入らない様子。

おしゃぶりは口から落ちないようにテープで止められているのだが、ほっぺの荒れてる部分に当たって痒いみたい。

泣いても抱っこしてればいいんだから取っちゃおうね。

そして抱っこ。

Aラインがなくなって点滴の数もだいぶ減ったから、自由に抱っこできて嬉しい。

今日は主治医からの説明。

バタバタと手を動かす娘ちゃんを見て「元気ですね」と。

「感染の値はまだ正常値にはならないので、引き続き抗生剤は使ってます。ただもうかなり使ってるので、正常値にならなくても止めるかもしれません」

それで平気なのかしら?

平気だからするのか。

「ミルクもまだ飲めそうなので、もう少し増やせるかな。心臓への負担が増えても大変なので、様子を見て増やしますね」

「元気もあるし、状態はいいですね」

今日は手短な説明だった。

動脈のラインを取っちゃったから血圧はわからないけど、心拍は150くらい、サチュは80台前半。

いいんじゃないかい。

ミルク後だから寝るのかと思って立ったまま抱っこをしていると、天井をじ~っと見てる。

天井にはカラフルな動物の絵。

「ゾウさんにキリンさんだよ。お兄ちゃんが言うにはキリンは“き~り~~ん”って泣くらしいよ。動物園に行こうね。水族館にも行こうね。みんなで行こうね」

そう話しかける。

娘の未来のことを前向きに考えたいし考えなきゃいけないとわかっているけど、冠動脈の問題がある限り最悪の事態への不安は消えない。

今後娘が生きていくために受ける手術だって検査だって、100%はない。

そのことを思うと悲しくて苦しくて胸が押し潰されそうになるけど、それが現実。

もちろん「絶対大丈夫」と信じて進んでいくことが大事なのもわかってる。

私のこの後ろ向きな考えが悪い結果を引き寄せてしまったらどうしよう、とも思う。

でも自分の心を潰さないためにも小さな覚悟は私にとって必要なのだ。

みんなで動物園に行こう。

水族館に行こう。

ディズニーランドに行こう。

温泉に行こう。

沖縄に行こう。

公園に行こう。

家族でいっぱい過ごそう。

楽しいことをいっぱいいっぱいしよう。

後悔しないために。

そしていつか娘から「母ちゃんは私のことを信じてなかったの」と怒られたい。

「ごっめ~ん。あなたは母ちゃんが思ってたよりずっとずっと強かったよ。母ちゃんの方がよっぽどショボかったよ」と笑いたい。

そんな日を信じてる。

…話は戻って、今日の面会の続き。

先生の説明が終わりしばらくすると、昨日の予告通り沐浴の時間。

母ちゃん三度目の沐浴だ。

気合い十分で挑んだが、泣かれまくり。

沐浴室に響き渡る泣き声。

母ちゃんのあたふたした感じが伝わったか。

傷は思いの外きれいでかさぶたになっていた。

ただ何となく皮膚の下の骨(?)が盛り上がった感じになってたのが気になった。

胸骨を切ってるんだし、こんなもんか?

それに少なくともあと2回はここを切るんだから、根治が終わってから考えればいいのかな?

少し様子を見て今度聞こう。

大騒ぎの沐浴も終わり、さっぱりした娘ちゃんを抱いてトントンしたらあっという間に寝た。

泣いたのは眠かったんだね。
(え、違うって?)

爪が伸びていたのが気になったので、熟睡に入って腕がダランと落ちた頃を見計らってベッドに下ろす。

起きた。

泣いた。

そんなもんだね。

また抱っこ。

寝た。

下ろした。

起きた。

泣いた。

諦めた。

まあね、抱っこがいいと言ってくれるのは嬉しいしね。

寝てる娘ちゃんを抱いてユラユラユラユラ。

向かいのベッドの子のママさんと先生が、年内に退院する話をしてる。

色んな思いはあるけど、やっぱり羨ましい。

看護師さんが来て、点滴が刺さってる左足のガーゼやなんかを交換すると言う。

再び、下ろした。

起きた。

泣いた。

でもしょうがないので母ちゃんがあやしながら、横で看護師さんが処置。

処置後はなぜかおとなしくなり抱っこしなくても寝そうになったので、頭を撫でて寝かしつけ。

娘ちゃんは髪の毛をそっと撫でたり、眉間の辺りを触れるか触れないかくらいで優しく撫でると寝るのだ。

無事寝てくれたので帰ることに。

こうやって普通のお世話をすればするほど離れがたくなる。

長い時間一緒にいられれば満足するわけではなく、余計寂しくなる。

早く連れて帰りたい。

でも焦らずに、ゆっくりゆっくり。

また明日ね、娘ちゃん。

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