シャント手術当日〔1ヶ月6日〕

*過去の自分のブログの転載です。

🍀🍀🍀

<2011/12/09 fri ☃☀>

生後36日。

今日はシャント手術の日。

雪の降る中、まだ暗い神社に寄ってお参りをする。

どうか、どうか神様…。

朝7時には病室に到着。

娘は寝ていた。

最後のミルクは深夜1時だったのに、泣きもせずいいこでよく寝ているそうだ。

起こしてグズられても困るので、抱っこは我慢。

可愛い寝顔を眺め頭を撫でながら、「頑張ってね」と話し掛ける。

主治医が来て「いよいよですね」と。

すぐあとに執刀医のS先生が来て挨拶をして「ではまた終了後に」と。

「よろしくお願いします」と深々と、深々と頭を下げる。

看護師さんが来て点滴を換えたりIDバンドを娘の足に付けたり。

気が付くと15分前になっていたので、もう起こしてもいいだろうと交代で抱っこ。

最初は日曜日ぶりの父ちゃん。

そして母ちゃん。

目をパチクリさせてこっちを見ている娘ちゃん。

頑張ってね。

ちょっと痛いけど大丈夫だから。

これが終わればおうちに帰れるよ。

一緒に帰ろうね。

抱いて頭を撫で、おでこを撫で、ほっぺを撫で、顔と顔を近づけて話し掛ける。

5分前になり看護師さんが来て移動の準備。

娘を寝かせたコットの横に着いてほっぺを撫でながらエレベーター室に向かう。

「いってらっしゃい。頑張ってね」

そう言って笑顔で見送れた。

そして8時ちょうどに扉が閉まった。

泣きそうだけど我慢。

娘が無事に戻ってきたら泣こう。

頑張れ。

頑張れ、娘ちゃん。

呼び出し用の電話を渡され病院内で待機。

カフェテラスにいたり車で一眠りしたり。

考えると怖くて苦しくなるので、なるべく考えないようにした。

11時50分、電話が鳴った。

「先生から話があるので病棟の待合室でお待ちください」と看護師さん。

20分ほど待つとS先生が登場し、相談室へ。

少し早い気がする。

良い話?悪い話?

息苦しい。

「無事に特に問題なく終わりました」

全身の力が抜けた気がした。

「今は縫合をしているので戻ってくるまでに3~40分掛かりますが、今のところ心配していた合併症などはありません。人工心肺も使わずに済みました」と。

説明を受けたという内容の用紙に署名をしていると、涙がじわじわ出てきた。

何度も頭を下げてお礼を言い、戻っていく先生と別れ待合室に戻ると涙腺は決壊。

よかった。

よかった。

よかった…。

病棟ロビーのすぐ横がエレベーター室への扉。

13時頃、扉が開いて大勢の先生に囲まれたベッドが出てきた。

娘?娘ちゃん?

え、違うの??

確認できないまま足早にICUに入っていってしまった。

仕方なくまた待ち、15分後に看護師さんから呼ばれた。

あれはやっぱり娘ちゃんだったんだ。

転院当初にもお世話になったICUにまた入る。

同じ部屋ではあるが前回は小児心臓内科で、今回は小児心臓外科。

案内された先にいた娘はたくさんの管が体から手足から出ていて、口には人工呼吸器。

でも生きてる。

心臓が動いてる。

嬉しい。

また会えた。

いろんな思いで胸がいっぱいになった。

ちょうど1ヶ月前の11月9日、産後すぐに離ればなれになった娘とこの部屋で再会した。

その時と同じ。

ただただ嬉しかった。

嬉しくて嬉しくて可愛くてニヤニヤニヤニヤしてしまった。

「今はまだ麻酔と薬で深く眠ってます。起きるのは夜中かな。サチュレーションも悪くないし、ドレーンからの出血も少ない。状態は落ち着いてますから帰宅されても大丈夫ですよ」とS先生。

看護師さんが来て外科のICUの説明をしてくれた。

同じ部屋だが内科と外科では面会時間が違う。

外科は手術後なので14時16時18時からの一日3回で、1回は30分程度。

次の16時に来て平気なのか聞くと「大丈夫ですよ」と。

内科主治医のY先生も来て「よかったですね」と言ってくれた。

ありがとうございます。

ホッとしたら気が抜けてお腹が空いてきたので、一旦病院を出てラーメンを食べにいく。

手術の説明を受けた日にもラーメンを食べた。

あの日は怖くて苦しくて涙を流しながら食べた。

でも今日は違う。

嬉しくてホッとして緊張が取れて、ダンナと2人で笑いながらくだらない話をしながら食べた。

16時の面会へ。

まだまだ熟睡中の娘ちゃん。

胸には大きな傷。

点滴は数えてみたら11本。

それに加えて輸血、ドレーン、体外ペースメーカーの電線、人工呼吸器、鼻には何かのチューブ(ミルク用?)、他色々。

小さな体にこれでもかと繋がる様々な管。

普通に見たらどう見ても痛々しくて目を背けたくなる光景だと思う。

でもテンション上がった母ちゃんにはすべてが輝いて見えた。

そしてやっぱりただただ嬉しくて、頑張った娘が誇らしくて、何も付いていないほっぺの隙間を撫でながら「頑張ったね。偉かったね」と言い続けた。

内科担当医のN先生が来て「これでおうちに近付いたね。よかったね。あ、でも帰るって言っても初めてか」と笑いながら言ってくれた。

血圧は90/40くらい、心拍数は160~170、サチュは84前後。

手術前と変わりなし。

状態を改善させるための手術ではなく、現状を維持するための手術だったのだからこれで問題なし。

余裕の出てきた母ちゃんは娘のまわりにあるものを観察。

そこで気付いた。

娘ちゃん、B型。

輸血の袋にしっかり書いてあった。

母ちゃんと一緒だね。

B型女子が好きなダンナも大喜び。

30分間みっちりと娘ちゃんに触れて、看護師さんに挨拶をして退室。

朝は雪だったのに、空は清々しいほどの青空。

まだ最初の山を越えたばかりのところ。

喜んでばかりもいられない。

でも今はすべてのことにただ感謝。

頑張ったね。

偉かったね。

ありがとう。

ありがとう。

一緒に帰ろうね。

また明日ね。

娘ちゃん…。

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