私が世界を救うまで 第8話
座天使ソロネ
天界上層部第3位
『意志の支配者』の異名を持つ天使様の名
その下の下の更に下ぐらいに社畜課が存在する。
上層部すぎて実際に会ったことはないが、名前を聞いたことぐらいは天使代理でしかないあるふぁでもあった。
「待ってください。
じゃあ、僕らよりかなりかなり上の方じゃないですか。なんでそんな方が天界や星を荒らすような真似をするんですか?」
「神の戦車であるソロネは、
神を乗せて聖戦を走る、たくさんの目をもつ炎の車輪。座天使という存在は、第3位。上にはあとふたりの存在がいる。いちばん上のセラフィムは聞いたことが?」
「あります。」
「堕天してしまったルシファーもセラフィムと同じだったということは?」
ルシフェル様という天使が堕天して魔王になったという話は知っていたが、1番上の位だったのは知らなかった。
「彼はほかの誰よりも美しい12枚の翼を持っていて、
いちばん上の位にいても堕天した。3位のソロネが何かやらかしてもそんな不思議なことではありませんよ。」
「はぁ…、ずいぶん詳しいんですね?
親しいんですか?」
こんな非常事態でもあるふぁはマイペースな質問をしている。
「まぁ、私がソロネの指揮官ですから親しいでも間違ってはいないですね。」
そうだったのか!
自身の上司が何者か気にしたことがあまりなかったし、天使は名前ぐらいしかしらない。
ただ、『なんかすごいんだ!』くらいには驚いた。
「ふふ、驚くのはかまいませんが、話を戻しても?」
「ぁ…はい。」
そうだ。
非常事態だったと思い出し、マイペースすぎたと少し恥ずかしくなる。
「まぁ、端的に話すと、ソロネが私やあなたの意識をいじってきて、なぜかユーンをあの異世界に生かせたということです。
そして今、あの異世界に生まれてしまった危険生物は本来ならあんな姿はしておりません。話すことももちろんないし、意志の疎通すら無理です。さらに人間は命を吸い取られるはずなのに、ユーンは汚いと言い放ちながらも近くに行き、息絶えない。
ぁ、そういえば私はラファエルと申しますがご存知でしたか?」
ぁ、
じゃない。はじめて知りましたよ。上司様。
あなた有名なラファエル様だったんですね。
社畜として人間界でしていた倍くらい働いてもなんとかなっていたのは異常なまでに早い移動手段やなんやかんやじゃなく、あなたの癒しの能力がもしやおありでしたか?
「正解ですよ。あるふぁ君。」
ぬぉお
頭のなか読み取られたぁぁあ。
そうなのである。
輪の能力を使わされ、1回で減る寿命1年を
ラファエルが監視しながら70%オフしてくれていたのである。
実質3ヶ月だけ減る、超お得あんけ〜ん☆
なんてラファエルの心はてへぺろ状態なのだが、寿命が縮むことを知らないエリート社畜はまるで神でも見たかのような眼差しをむける。
社畜課はあるふぁだけでなく、ラファエルにも向いている場所であった。彼でなくてはスカウトしてもすぐに本物の輪がついてしまうのだから。
「知ってくれたのを喜ぶよりも、しなくてはならないことがあります。」
咳払いも美しいラファエルが真面目なトーンで話を再開させた。あるふぁはつい鏡と彼を前に正座待機をしてしまう。
「あの危険生物があちらに生まれたということは、地球にも最悪規模な災害がおきるという記録があります。」
「最悪規模?」
「まぁ、氷河期の訪れなどでしょうか、ね」
?!
最悪は最もって意味だからあまり簡単に使うのは……
って、言うことなく息が止まりそうになった。
癒しパワー持ちの上司様が
あらあらまぁと正座した膝をなでただけで力はみなぎったが、心臓は早鐘を打つみたいなスピードのままだった。
【滅びの木】
ん"ん"ガァルるがァァァ”ァ”ァ”ァ”ァ”んん!!
「なんで、なんでなんでな"ん"でぇえ
おまぇ近寄れる?にんげ…ちがょれ"ない
お前にんげんじゃに"ゃいか?!」
ん"ん"がァァ!
ん"なぁぁぁあんん!!
危険生物は危険生物ではじめての事態に、なぞの焦りを感じて荒ぶっていた。
……名前を聞いてくれたやつなんていなかった
オレに名前なんか……?
To Be Continued
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